ロナウドが抜けたマドリーには躍動感があるよね。

宮澤ミシェル氏がリーガの現状を解説する。 写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

C・ロナウドは退団したものの、マドリー攻撃陣は3節までに10ゴールと絶好調。ベンゼマ(背番号9)とベイル(左)の伸び伸びした態度が印象的だ。(C)Getty Images
ラ・リーガの現状を、リーガ解説のスペシャリストに訊くインタビューシリーズ『リーガ見聞録』。その第1回には、宮澤ミシェル氏が登場。第3節を終えた時点での気になるチームや選手について語ってもらった。
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■第3節を終えた時点で
レアル・マドリーからロナウドがいなくなったとか、バルセロナがイニエスタの抜けたところをどう補強するのかというひとつの流れがあって、マドリーに関しては大きな穴になるはずがそうでもなく、逆にチームのポゼッションのスピードが上がったり、全員でやってる感じが出てきてるよね。
そういう面では、なるほど、マドリーの選手たちはみんなこれを待ってたなという感じがするよね。連勝スタートも切れたし。去年の前半戦はロナウドのシュートが決まらずに悩んでいたけど、いまはベンゼマやベイルがすげ~嬉しそうにやってるじゃない(笑)
バルセロナはバルセロナで、コウチーニョとかデンベレがうまくハマってきたなという感じ。こちらも3連勝とスタートダッシュが切れているので、2強はこのままいくだろうね。
ただアトレティコがちょっと、3強になる予定が…というスタートになっちゃっている。3節もセルタに完敗(0-2)してしまったし、観ていても少しパワーがないというか、なにか重たさが残ってるみたいなところがある。UEFAスーパーカップを獲ったところまではよかったんだけどね。
まあでも、各クラブともそれぞれスタートを切って、それこそ、初昇格のウエスカなんかも、バルサとやるからああいった結果になっちゃったけど(2-8で敗戦)、カンプ・ノウで先制点をあげたりと非常によく頑張っていたし、まだまだ序盤戦だからね。昇格してきた3チームも、これから面白いと思うよ。ウエスカ、バジャドリー、ラージョ・バジェカーノね。
■レアル・マドリーに指揮官交代の影響は
もちろんそれはあるけど、我々のように観ている側からすると、ロナウドがいないことのほうがでかすぎちゃって。まあでも、これが監督のやりたいことなのかなっていうのは見えてきているよね。
ポゼッションするなかでどんどんスピードをテンポアップしていって、なおかつ左からも右からも、だれがゴールを決めてもいいっていうね。ロナウドに30点取らせなきゃいけないっていう“ノルマ”みたいなものがなくなったことで、なんかチーム全体に躍動感が生まれてきたよね。いい、すごくいいよ。
3節のレガネス戦も、ベンゼマがモドリッチに縦パスを入れて、それをモドリッチがまたベンゼマに戻して、わけのわかんない角度から(シュートを撃つ)っていうのは、昨シーズンまでほとんどみられなかった形だし。それはロナウドがやっていたことだしね。
クロスボールを入れるときだって、サイドをえぐってロナウドを探して入れるんじゃなくて、2列目もちゃんと入ってきてる、ファーにもひとりいる、ニアにもいるっていう形がちゃんとできていて、3か所どこでもいいから入れてこいみたいなところがある。
あれがロペテギの戦術なのかも知れないけど、それをこの時期にここまで完成した形で披露できるのは、やっぱり世界のトッププレーヤーが集まるマドリーだからだろうね。
■C・ロナウドの代役を担うアセンシオ
アセンシオっていうのは、出てきたときから特別だったもんね。下半身に馬力はあるし、相手をはがせるし。最前線でも左サイドでも右サイドでもプレーできて、ピッチの中に入ってもいい仕事をする。ああいう臨機応変なところを見せられたときに、ルーカス・バスケスとの違いを感じるよね。
ルーカスはやっぱり右サイドの選手。サイドバックもやるけど、彼はロナウドの足りないところ、主にディフェンスの部分を補うという意味で価値を示していた。でもアセンシオは、攻守のどちらでもチームに貢献できる。あれでミドルシュートかなんかを撃ち始めたら、もう完璧だよ。年俸が倍になるんじゃない(笑)
マドリーはホント、いいほうに変わったよ。最初は30点取っていた選手がいなくなって、どうなるかと思ったけど、想像していた以上にいいよね。ボールスピードは速いし、動き出しも速い。いまのマドリーはなんとなく、一生懸命頑張るタイプのエイバルだとか、ああいうチームに見えてきちゃうんだけど、プレーの質がとんでもなく違う。あれだけハイクオリティーな選手たちが、チームのために頑張り、それが完璧に連動しているわけだから強いわけだよ。
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■第3節を終えた時点で
レアル・マドリーからロナウドがいなくなったとか、バルセロナがイニエスタの抜けたところをどう補強するのかというひとつの流れがあって、マドリーに関しては大きな穴になるはずがそうでもなく、逆にチームのポゼッションのスピードが上がったり、全員でやってる感じが出てきてるよね。
そういう面では、なるほど、マドリーの選手たちはみんなこれを待ってたなという感じがするよね。連勝スタートも切れたし。去年の前半戦はロナウドのシュートが決まらずに悩んでいたけど、いまはベンゼマやベイルがすげ~嬉しそうにやってるじゃない(笑)
バルセロナはバルセロナで、コウチーニョとかデンベレがうまくハマってきたなという感じ。こちらも3連勝とスタートダッシュが切れているので、2強はこのままいくだろうね。
ただアトレティコがちょっと、3強になる予定が…というスタートになっちゃっている。3節もセルタに完敗(0-2)してしまったし、観ていても少しパワーがないというか、なにか重たさが残ってるみたいなところがある。UEFAスーパーカップを獲ったところまではよかったんだけどね。
まあでも、各クラブともそれぞれスタートを切って、それこそ、初昇格のウエスカなんかも、バルサとやるからああいった結果になっちゃったけど(2-8で敗戦)、カンプ・ノウで先制点をあげたりと非常によく頑張っていたし、まだまだ序盤戦だからね。昇格してきた3チームも、これから面白いと思うよ。ウエスカ、バジャドリー、ラージョ・バジェカーノね。
■レアル・マドリーに指揮官交代の影響は
もちろんそれはあるけど、我々のように観ている側からすると、ロナウドがいないことのほうがでかすぎちゃって。まあでも、これが監督のやりたいことなのかなっていうのは見えてきているよね。
ポゼッションするなかでどんどんスピードをテンポアップしていって、なおかつ左からも右からも、だれがゴールを決めてもいいっていうね。ロナウドに30点取らせなきゃいけないっていう“ノルマ”みたいなものがなくなったことで、なんかチーム全体に躍動感が生まれてきたよね。いい、すごくいいよ。
3節のレガネス戦も、ベンゼマがモドリッチに縦パスを入れて、それをモドリッチがまたベンゼマに戻して、わけのわかんない角度から(シュートを撃つ)っていうのは、昨シーズンまでほとんどみられなかった形だし。それはロナウドがやっていたことだしね。
クロスボールを入れるときだって、サイドをえぐってロナウドを探して入れるんじゃなくて、2列目もちゃんと入ってきてる、ファーにもひとりいる、ニアにもいるっていう形がちゃんとできていて、3か所どこでもいいから入れてこいみたいなところがある。
あれがロペテギの戦術なのかも知れないけど、それをこの時期にここまで完成した形で披露できるのは、やっぱり世界のトッププレーヤーが集まるマドリーだからだろうね。
■C・ロナウドの代役を担うアセンシオ
アセンシオっていうのは、出てきたときから特別だったもんね。下半身に馬力はあるし、相手をはがせるし。最前線でも左サイドでも右サイドでもプレーできて、ピッチの中に入ってもいい仕事をする。ああいう臨機応変なところを見せられたときに、ルーカス・バスケスとの違いを感じるよね。
ルーカスはやっぱり右サイドの選手。サイドバックもやるけど、彼はロナウドの足りないところ、主にディフェンスの部分を補うという意味で価値を示していた。でもアセンシオは、攻守のどちらでもチームに貢献できる。あれでミドルシュートかなんかを撃ち始めたら、もう完璧だよ。年俸が倍になるんじゃない(笑)
マドリーはホント、いいほうに変わったよ。最初は30点取っていた選手がいなくなって、どうなるかと思ったけど、想像していた以上にいいよね。ボールスピードは速いし、動き出しも速い。いまのマドリーはなんとなく、一生懸命頑張るタイプのエイバルだとか、ああいうチームに見えてきちゃうんだけど、プレーの質がとんでもなく違う。あれだけハイクオリティーな選手たちが、チームのために頑張り、それが完璧に連動しているわけだから強いわけだよ。
【都並敏史のリーガ見聞録|第4回】アトレティコはこれからどんどん良くなると思います――WOWOWオフィシャルサイトにて公開中!