サポーターでなくても鳥肌が立つほどの熱気と情熱。
ラ・リーガにおいてもっとも「熱い」ダービーマッチは、間違いなくベティスとセビージャが激突する“セビージャダービー”だ。
そして今夜、日本代表の乾貴士がベティスの選手として、この熱狂的なダービーに参戦する。
セビージャにはかつて指宿洋史や清武弘嗣が所属し、前者はまさにこのダービーでラ・リーガデビューを飾ったが(清武はベンチ入りのみ)、ベティスサイドからセビージャダービーに参戦する日本人選手は、乾が初めてとなる。
ダービーでは毎回、ベティスのホームスタジアム、ベニート・ビジャマリンを6万人のサポーターが埋め尽くし、その大観衆によるお決まりのチャントがアカペラで歌いあげられる。
「血管を流れる私の血は、あなたの色(緑と白)に染められている」
ベティコ(ベティス・サポーターの愛称)でなくても鳥肌が立つほどの熱気、ホーム&アウェーとはかくあるべきという原点を思い知らされる地元サポーターの情熱は、想像を遥かに超えるものだ。
そして今夜、日本代表の乾貴士がベティスの選手として、この熱狂的なダービーに参戦する。
セビージャにはかつて指宿洋史や清武弘嗣が所属し、前者はまさにこのダービーでラ・リーガデビューを飾ったが(清武はベンチ入りのみ)、ベティスサイドからセビージャダービーに参戦する日本人選手は、乾が初めてとなる。
ダービーでは毎回、ベティスのホームスタジアム、ベニート・ビジャマリンを6万人のサポーターが埋め尽くし、その大観衆によるお決まりのチャントがアカペラで歌いあげられる。
「血管を流れる私の血は、あなたの色(緑と白)に染められている」
ベティコ(ベティス・サポーターの愛称)でなくても鳥肌が立つほどの熱気、ホーム&アウェーとはかくあるべきという原点を思い知らされる地元サポーターの情熱は、想像を遥かに超えるものだ。
2節を終えた時点での順位は、1勝1分けのセビージャが3位、1分け1敗で未勝利のベティスは17位。ただこのダービーマッチにおいて、互いの順位はまったく意味を持たない。両者のモチベーションは、別次元にある。
ダービーに敗れたチームは、次のダービーまでの数か月、それをネタに相手サポーターにいじられまくるだけでなく、次の世代までの語り草にされる。セビージャという街では、ダービーに負けて1部に留まるより、ダービーに勝って降格する方が名誉とされるのだ。
アスレティック・ビルバオとレアル・ソシエダによる「バスクダービー」とも、レアル・マドリーとバルセロナの間で行なわれる「エル・クラシコ」とも一線を画するセビージャダービー。乾はこの試合、先発出場が予想されているが、現地での乾の評価は現在、「ポーズ(休止)ボタン」が押されている状態だ。
ラ・リーガ2節を戦い終えて、ベティスは180分間ノーゴール。攻撃の選手の評価が定まらないのは当然と言えるだろう。ただ言い換えれば、攻撃の選手全員が同じスタートラインにいるいま、このビッグゲームは彼らにとって最大のチャンスでもある。
もしこの試合で乾がベティスの勝利につながる大活躍を披露できれば、定位置を確保するだけでなく、クラブ史にその名を刻むほどの評価が与えられるだろう。
スペインでの選手生活が4年目を迎えた乾にとっても未体験の世界の扉が、まもなく開かれる。
文●山本美智子(フリーライター)