磐田のベテランCB大井健太郎は、神戸戦後、アンドレス・イニエスタについて感想を語った。
「(ルーカス・)ポドルスキ選手は自分が触りたがる傾向にあって、勝手にゴールから離れていってくれるから、僕らDFからしたら少し楽な部分がある。でもイニエスタ選手は常に危ないところで待っている。ドリブルで運んで浮き球でスルーパスを出されたところとか、オフサイドになってしまった場面もありましたけど、あれは確実に崩されていた。他の選手に任せるところは任せて、運ばせるうまさがあった。ボール技術は元々分かっていましたけど、非常に気の利いたところや僕らが捕まえづらい位置で受けるのがうまいなと思いました」
最終ラインと中盤のギャップで受けて古橋亨梧に送った13分のループパスや、DF2、3人を引き付けて、ポドルスキをフリーにさせた25分の場面など、イニエスタは確実に磐田守備陣の脅威となっていた。
なんと言っても特筆すべきは15分のゴールシーン。ポドルスキからの鋭いスルーパスから鮮やかなターンで大井を置き去りにすると、GKのカミンスキーも冷静にかわしてゴールに流し込む。高度な技術が凝縮されたゴラッソだった。
対峙した大井は、振り返る。
「ゴール前にはウェリントン選手がいて、イニエスタ選手の身体の向き的に、ダイレクトでパスもあるかなと思って、中央のほうも警戒したところを、ターンでやられてしまった。もう少し自分たちでうまいことスライドできていれば、粘ることはできたかなと思います」
パスの選択肢を捨てきれず後手に回ったことを反省した大井。とはいえ、あのビューティフルなターンについては、称賛を惜しまない。
「深かったですよね。足が届くかなと思いましたけど、やっぱり巧かった。もう少し前目に流れるトラップもあるけど、しっかりと足もとに深めに入って…巧かったって僕が言うのもなんですけど、やっぱり凄かったなと」
ワールドクラスのボールタッチは、大井からしても“敵ながら天晴れ”といった印象だったようだ。
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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