15分の試合運びはパーフェクト。東福岡が盤石の試合運びを披露!
8月7日、インターハイの男子サッカー競技が三重県で開幕した。3年前に夏を制した東福岡は矢板中央と対戦。今季公式戦無敗の難敵を2-1で振り切り、2回戦へと駒を進めた。
初戦で相まみえた矢板中央(栃木)は、伝統校・東福岡(福岡)にとっては厄介な相手だった。昨冬の選手権でベスト4に入った栃木の上昇株は、堅守と多彩なアタッカー陣を擁する有力校。控えにも流れを変える切り札を多数揃えており、今季のプリンスリーグ関東において、無敗で首位を走る実力は伊達ではない。
対する今季の東福岡は試合の入り方に課題を抱えており、序盤の戦い方を一歩でも間違えれば、相手に飲み込まれる可能性があった。
その観点を踏まえ、試合のポイントになったのは開始15分の戦い方だ。選手たちもその課題を認識しており、主将の中村拓也(3年)は試合前のアップからチームに変化があったという。
「僕たちは試合の入りが悪くて、すぐに失点をしてしまう。ミーティングでもそこは話していた。あとは(雰囲気に飲まれないように)どんどん声を出してやった」
東福岡は相手の勢いに喰われないように、試合前からいつも以上の声出しで自分たちを奮い立たせた。その効果はてきめんで、立ち上がりから積極的な試合運びを見せる。
中盤の底を務めた篠田憲政(3年)を軸に伝統のサイド攻撃を展開。両翼の吉岡幸陽(3年)と野寄和哉(3年)が縦を突き、幾度も相手を慌てさせる。
前半7分には大森真吾(3年)がポスト直撃の強烈なシュートでゴールを強襲。序盤から試合の主導権を掌握し、拮抗した展開が予想された一戦はハーフコートゲームとなった。その直後の14分には主将の中村拓也が後列なショットを突き刺し、東福岡は決めるべき時間帯にしっかりと決め切った。
以降は少しペースを落とし、後半は相手のアタックに手を焼く展開に。それでも、後半26分に右SB中村拓海(3年)の攻め上がりから、途中出場の井本寛次(3年)がきっちりとネットを揺らして勝負を決めた。
最後に1点を返されたとはいえ、強豪校らしい試合運びを見せた東福岡。敵将の高橋健二監督も、「経験値の差なのかもしれない。優勝をしたことがあるチームと、4強の壁を越えようするチームの差」と最初の15分の出来も含めて完敗を認めた。
1回戦を突破した東福岡。森重潤也監督も「トーナメントだから第一目標は勝利。(試合の運び方が)勝利に結びついて良かった」と話し、ホッと胸を撫で下ろした。3年ぶりの日本一を目指す“赤い彗星”が、まずは好スタートを切った。
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)
初戦で相まみえた矢板中央(栃木)は、伝統校・東福岡(福岡)にとっては厄介な相手だった。昨冬の選手権でベスト4に入った栃木の上昇株は、堅守と多彩なアタッカー陣を擁する有力校。控えにも流れを変える切り札を多数揃えており、今季のプリンスリーグ関東において、無敗で首位を走る実力は伊達ではない。
対する今季の東福岡は試合の入り方に課題を抱えており、序盤の戦い方を一歩でも間違えれば、相手に飲み込まれる可能性があった。
その観点を踏まえ、試合のポイントになったのは開始15分の戦い方だ。選手たちもその課題を認識しており、主将の中村拓也(3年)は試合前のアップからチームに変化があったという。
「僕たちは試合の入りが悪くて、すぐに失点をしてしまう。ミーティングでもそこは話していた。あとは(雰囲気に飲まれないように)どんどん声を出してやった」
東福岡は相手の勢いに喰われないように、試合前からいつも以上の声出しで自分たちを奮い立たせた。その効果はてきめんで、立ち上がりから積極的な試合運びを見せる。
中盤の底を務めた篠田憲政(3年)を軸に伝統のサイド攻撃を展開。両翼の吉岡幸陽(3年)と野寄和哉(3年)が縦を突き、幾度も相手を慌てさせる。
前半7分には大森真吾(3年)がポスト直撃の強烈なシュートでゴールを強襲。序盤から試合の主導権を掌握し、拮抗した展開が予想された一戦はハーフコートゲームとなった。その直後の14分には主将の中村拓也が後列なショットを突き刺し、東福岡は決めるべき時間帯にしっかりと決め切った。
以降は少しペースを落とし、後半は相手のアタックに手を焼く展開に。それでも、後半26分に右SB中村拓海(3年)の攻め上がりから、途中出場の井本寛次(3年)がきっちりとネットを揺らして勝負を決めた。
最後に1点を返されたとはいえ、強豪校らしい試合運びを見せた東福岡。敵将の高橋健二監督も、「経験値の差なのかもしれない。優勝をしたことがあるチームと、4強の壁を越えようするチームの差」と最初の15分の出来も含めて完敗を認めた。
1回戦を突破した東福岡。森重潤也監督も「トーナメントだから第一目標は勝利。(試合の運び方が)勝利に結びついて良かった」と話し、ホッと胸を撫で下ろした。3年ぶりの日本一を目指す“赤い彗星”が、まずは好スタートを切った。
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)