【ロシアW杯】ハメスの故障に一発退場、名将の自滅… 猛烈な神風を味方に、ギャンブルに勝った日本協会

カテゴリ:日本代表

加部 究

2018年06月20日

名将ぺケルマンが泥沼の采配で日本に流れを戻してくれた

故障中のハメスの不振は日本にとって追い風となった。(C) Getty Images

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 猛烈な神風だった。

 好結果を得るなら、少なからずコロンビアに自滅的な条件が要ると思っていたが、想像をはるかに超えて積み重なった。

 ハメス・ロドリゲスの別メニューでの調整情報は信じていなかった。ジョホールバルの記憶が強烈だったせいだ。1997年フランス・ワールドカップ予選のプレーオフで、日本と戦ったイランのエース、アジジは、試合前日に車椅子で引き上げていったが、当日は元気にプレーをした。

 まず功を奏したのは、キックオフ後の積極的なプレスだった。慎重に入ろうとしたコロンビアは、いきなりセンターバックのムリージョが左サイドバックのモヒカへの簡単なパスをミスしている。日本は最終調整の2戦でメンバーを総入れ替えしたので、最初は様子見と考えていたコロンビア側を多少なりとも動揺させたはずだ。PKに繋がるシーンも、先に身体を入れたのはD・サンチェスだったが、大迫勇也のアグレッシブな動きに慌てて態勢を崩している。こうした一連の混乱の末にC・サンチェスがハンドをしてしまった。もし大迫が決め切れていれば退場はなかったので、幸運が重なった。

 だがコロンビアも苦境に立たされ、逆に意識が統一された。やはり個々の能力は高いので、局面ごとでマークを剥がし反撃に出た。日本はブロックが下がり過ぎて、コロンビアのMFにスペースを開けるようになり、キンテーロ→ファルカオに2度ほど危険なシーンを演出されている。結局10人のコロンビアは、ミスジャッジから得たFK(ファウルをしたのはコロンビアだった)をキンテーロが決めて、1-1で折り返した。
 
 ところが後半に入ると、名将ぺケルマンが泥沼の采配で日本に流れを戻してくれた。57分にコロンビアの攻撃の生命線だったキンテーロを下げて、故障でまるで動けないハメスを投入。69分には、左サイドでスピードある突破が怖かったイスキエルドまで下げてくれた。これで日本は余裕たっぷりにボールを回せるようになった。オシム流の表現をすれば、コロンビアから水を運ぶ人が消えて、ファルカオ、ハメス、バッカへのボールの供給が断たれた。エースの故障に続き、名将までが自滅してくれたのだ。

 さすがにこれだけ条件が整えば、ボランチはノープレッシャーでボールを受けられて、柴崎岳は王様になる。この状況で前監督ならどんな指示を出したかは不明だが、いずれにしてもベンチに「遅い、早く縦に蹴れ!」と叫ぶ指揮官もいないので、日本は悠然とゲームを支配し、コロンビアの体力を吸い取ることができた。
 

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