“チェルシー・リジェクト”と呼ばれた出戻り男。
5月13日に幕を閉じた2017-18シーズンのプレミアリーグ。巷では、最終節で100ポイントに到達した最多勝点数など、記録ずくめの優勝を成し遂げたマンチェスター・シティの存在がなければ、期待外れのシーズンになっていたとの意見もある。
だが、それを言うのであれば、もしモハメド・サラーがリバプールに来ていなければ、ただシティが強いだけのシーズンに終始しているところだった……。筆者はそう感じている。
閉幕の1か月前にシティのプレミア制覇が決まりかけていたイングランドで、庶民が最後までシーズンを楽しめたのは、サラーのおかげである。国籍にちなんだキャッチーな愛称「エジプト王」も板についた韋駄天の存在は、今シーズン最高のサプライズだった。
サラーは、PFA(選手協会)、FWA(記者協会)、そしてリーグ選定の年間最優秀選手賞を競ったケビン・デ・ブライネと同様に、「チェルシー・リジェクト」と呼ばれる、チェルシーから一度国外クラブへ売られた“出戻り選手”である。
だが、それを言うのであれば、もしモハメド・サラーがリバプールに来ていなければ、ただシティが強いだけのシーズンに終始しているところだった……。筆者はそう感じている。
閉幕の1か月前にシティのプレミア制覇が決まりかけていたイングランドで、庶民が最後までシーズンを楽しめたのは、サラーのおかげである。国籍にちなんだキャッチーな愛称「エジプト王」も板についた韋駄天の存在は、今シーズン最高のサプライズだった。
サラーは、PFA(選手協会)、FWA(記者協会)、そしてリーグ選定の年間最優秀選手賞を競ったケビン・デ・ブライネと同様に、「チェルシー・リジェクト」と呼ばれる、チェルシーから一度国外クラブへ売られた“出戻り選手”である。
しかし、シティがデ・ブルイネ獲得に払った移籍金は5500万ポンド(約83億円)。これに対し、サラー獲得にリバプールが支払った額は、その3分の2程度の3900万ポンド(約55億円)だった。
それでも、当時は「高い買い物」だといわれ、こうした英国内の否定的な見方は、当人が「見返したいと思っていた」と米国メディアのインタビューで明かしていたほど、強かった。
そんなサラーは、獲得後にすぐさま適性を見出したユルゲン・クロップ監督の戦術眼にも助けられ、“スーパーFW”と化した。リーグ戦で決めたゴールの数は、38試合制となってからのプレミアで新記録となる32得点。2度の2試合連続無得点が、今シーズンのリーグ戦で最長のブランクというハイペースだった。
チェルシー時代には、ろくにチャンスさえもらえなかったウインガーが見せ始めた、かつてのルイス・スアレス(現バルセロナ)を思わせる、リバプールの得点源としての姿には驚かされた。
10アシストと合わせて、サラーがもたらした42得点が、リバプールのトップ4維持に多大な貢献をしたことは言うまでもない。同時にサラーが絡んだ得点は、いずれも強烈な印象を残している。