「W杯でプレーするという夢が奪われた」
5月14日(現地時間)、禁止薬物使用により、スポーツ仲裁裁判所(CAS)から14か月の出場停止という裁定を下されたフラメンゴ(ブラジル)所属のペルー代表FW、パオロ・ゲレーロ。これにより、来月からロシアで開幕するワールドカップへの出場は不可能となった。
昨年10月の南米予選アルゼンチン戦後のドーピング検査において、禁止薬物が検出されたゲレーロは、12月にFIFAから1年間の出場停止処分を受けたものの、後に異議申し立てにより6か月に短縮されたことで、W杯出場も可能となり、先日発表された予備登録メンバーにも名を連ねていた。
昨年10月の南米予選アルゼンチン戦後のドーピング検査において、禁止薬物が検出されたゲレーロは、12月にFIFAから1年間の出場停止処分を受けたものの、後に異議申し立てにより6か月に短縮されたことで、W杯出場も可能となり、先日発表された予備登録メンバーにも名を連ねていた。
しかし、世界反ドーピング機関(WADA)が「処分期間は1~2年が妥当」とCASに訴えた結果、来年1月までの処分延長が決定した。一方のゲレーロは当初から処分の完全な取り消しを求めていたが、こちらは受け入れられなかった。
ペルーにとって1982年スペイン大会以来となるW杯で、自身初の世界の舞台に立つという夢が潰えたゲレーロのショックと失望は大きい。禁止薬物を使用したというのであれば自業自得ということになるが、彼はこれを否定している。
「僕は絶対に、どのような種類の禁止薬物も使っていない。なぜなら、僕にはそんなものは必要ないからだ」
CASの裁定の後、渦中のゲレーロが初めて声明を出したのは、自身のフェイスブックからだった。14日に投稿された動画では、自身の潔白を訴えながら、夢の舞台に立てなくなった悲しみや怒りを吐露している。
「僕の夢は今、サッカーをプレーすること、そして(ペルーにとって)36年ぶりのワールドカップに出場することだが、それらを失ってしまった」
「僕は一度も禁止薬物を使っていないし、薬でパフォーマンスを向上させようなんていう意志もない。これらはFIFA、WADA、CASでも実証されたはずだ。一度、プロの選手が飲むべきでないお茶を出されて飲んだことはあったが、それもペルー・サッカー連盟のテストでクリアされている」
「14か月の出場停止処分がどのようにして下されたのか、僕は知らない。正当な理由なしに、W杯出場という僕の夢は奪われた。このような恥ずべき不当な決定を下した人々は、W杯だけでなく、僕のキャリアをも盗んだんだ」
ペルーの精神的支柱、そして英雄の出場停止は、国民にも大きな衝撃と失望を与えた。W杯予選プレーオフ・ニュージーランド戦では、「(出場停止中の)ゲレーロのためにW杯へ!」という想いの下で選手、サポーターが一丸となり、悲願を成就させたというのに……。
34歳のFWにとっては、まさに「天国から地獄」の気分であろう。