【セルジオ越後】“ハリル騒動”の原因を追究しなければ同じ過ちを繰り返すだけだ

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2018年05月10日

解任に至った理由は謎のままだ

会見に臨んだハリルホジッチ監督。だが、知りたかった解任の経緯は明らかにならなかった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本サッカー協会から契約解除を言い渡されたハリルホジッチが再来日し、4月27日に記者会見を行なったね。1時間半にも及ぶ会見だったけど、彼は周りの制止を意に介さず、自分の言いたいことを口にし続けた。そのせいで質疑応答の時間は限られ、さながら“独演会”のようだった。
 
 ハリルホジッチとしては、次の仕事を見つけるためにイメージの回復を狙ったのだろう。結局、新たな真実は明かされず、なぜ解任に至ったのか、原因は謎のままだった。
 
 改めて今回の騒動が起こった原因は、日本サッカー協会が明確な解任理由を示さなかったところにある。田嶋会長は「監督と選手のコミュニケーション、信頼関係が薄れてきた」「ワールドカップで勝つ確率を1パーセントでも上げるため」と語っていたが、どれもあやふやな印象だ。ハリルホジッチが「なぜ?」と疑問を感じたのも当然だ。自らの会見でも「私と選手の間でコミュニケーションの問題はなかったと理解していた」と話していた。
 
 例えば成績不振で監督をクビにするのは当たり前だ。もし拙いパフォーマンスに終わったマリ戦とウクライナ戦のあとにロッカールームで、「こんな戦い方をしているようだったらワールドカップでチームを預けられない」と伝えていたら、ハリルホジッチも渋々、納得したのではないだろうか。
 
 しかし田嶋会長がハリルホジッチに直接、解任を言い渡したのは欧州遠征が終わってから13日後だった。その間に様々な人物と相談したというが、どんなやり取りがあったのか。誰に何を言われたのか、そこが一番気になるところだけど、説明されることはもうないんだろうね。

 今後、日本サッカー協会が公の場でこの問題について話すことはないだろうし、うやむやのまま時は過ぎていくはずだ。ただ、貴重な時間を無駄にし、付け焼き刃の準備でワールドカップに臨むことになった責任は誰が取るのか。反省をしないまま前に進んでも、次の4年間で同じことを繰り返すだけだ。
 
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