【週刊サッカーダイジェスト編集長が振り返る】日本対コートジボワール戦

カテゴリ:国際大会

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年06月15日

ドログバの登場によりプラン通りだった遠藤投入が裏目に。

すっかり恒例となった後半の遠藤登場で、日本はますます勝利に近付いたと思われたのだが……。 (C) SOCCER DIGEST

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 先制しながらも、どこかちぐはぐで、後半にはコートジボワールの逆転を許してしまった日本。少なからぬショックと失望が残る結末となってしまったが、なぜ日本は本来のプレーを見せることができなかったのか? そして次のギリシャ戦を、いかにして戦うべきなのか?
 
 ここでは週刊サッカーダイジェストの谷沢直也編集長の視点から、コートジボワール戦の問題点と、2戦目以降の課題を挙げていく。
 
――◆――◆――
 
 何とも重苦しかった一戦だ。両チームともに、序盤からプレーが慎重で、積極的な攻め合いが多い今大会のなかでは異質な試合となったが、同じ日にギリシャがコロンビアに大敗したことも、何かしらの影響を与えたのかもしれない。コートジボワールは高い位置からボールを取りに来ず、それに日本も引っ張られた感じだ。
 
 雨が降り続き、パスを主体とするチームにとっては難しいコンディションだったのかもしれないが、とにかく日本は試合の入り方がとても慎重だった。高い位置でプレスを仕掛けてボールを奪い、ショートパスを回しながら相手を崩していくスタイルを標榜していたはずだが、序盤から重心の低いサッカーに終始していた。直前のテストマッチで早い時間帯に失点していた反省から、先に点を取られたくないという気持ちが強かったのだろう。
 
 ボランチに山口蛍と長谷部誠のコンビ、高さに強い大迫勇也と森重真人をCFとCBに起用したこと自体に、間違いはなかったと思う。これまでにもやってきたことであり、特に驚きも感じなかった。
 
 日本には終始、“らしさ”が見えなかった。ボールを素早く動かして相手を走らせるプレーも、高い位置から複数人で囲んでボールを奪う動きも、全く見られない。リスクを最小限にとどめることに意識を置いているようで、自らのポジションを埋める動きに終始していた。攻撃における連動性もほとんど見られず、個々のミスも多かった。特に香川真司は最後まで動きが重かった。得点シーンもチームとしての崩しというより、本田の個人技によって生まれたものである。
 
 後半に遠藤保仁を出したのはプラン通りで、そこから攻撃のリズムを変え、よりボールを動かすことで、相手を走らせて体力を奪うという狙いもあったはずだ。ところが、その8分後に相手がディディエ・ドログバを投入すると、コートジボワールの動きが目に見えて良くなり、ドログバにボールを預けて多くの選手が攻撃参加するようになる。結果的に日本が押し込まれることになり、長谷部よりも守備力の劣る遠藤を起用したことが、裏目に出てしまった。
 
 アジア予選の時からそうだったが、日本には戦い方の柔軟性に欠ける部分がある。リズムが悪い時、瞬時にこれを修正する力が欠けているのだ。1点目を奪われてから2分後、再び右サイドからほぼ同じ形で失点したが、なぜ修正できなかったのか、非常に悔やまれる。試合終盤に疲労困憊の本田をベンチに下げる手段もアリだったと思うが、これも今までやったことがなく、アルベルト・ザッケローニ監督のなかでその選択肢はなかった。
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