【W杯キープレーヤー解体新書】アリエン・ロッベン|単独で試合を決められる世界最強のウイング

カテゴリ:国際大会

ロベルト・ロッシ

2014年06月13日

ボールを持てば、周囲のアタッカーにも大きな利益をもたらす。

爆発的なスピードや精度の高いシュート力は、いずれも比類なきレベル。文字通り世界最強のウイングだ。 (C) Getty Images

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 オランダの成否を左右する絶対的な存在がロッベンだ。爆発的なスピード、トップスピードでのボールコントロール、狭いスペースを苦にしないドリブル突破とそこから繰り出すクロス、そして年齢を重ねるごとに精度が高まってきたシュートは、いずれも比類なきレベルにある。時に50-60メートルをひとりで走り切り、強力なカウンターを完遂させるなど、単独で違いを作り出して試合を決められる、文字通り世界最強のウイングだ。
 
 1対1の場面でこの男を止めるのは、どんなに優れたDFでも至難の業。それだけに守備側は人数をかけて突破を食い止めなければならない。それは同時に、他ゾーンの守備が手薄になることを意味する。つまり彼は、ボールを持つだけで、同じように攻撃の中心を担うファン・ペルシ(あるいはスナイデル)にも大きな利益をもたらしているのだ。
 
 好不調の波が激しかったのは、もはや過去の話。近年は試合から消える時間が減り、コンスタントに存在感を発揮するようになってきた。しかも、かつてほとんど参加しなかった守備面での能力が、バイエルンで3冠を勝ち取った2012-13シーズン以降、長足の進歩を遂げ、結果的に攻撃面でのプレゼンスを高める好循環を作り出している。
 
 モウリーニョ率いるチェルシーでメジャーシーンに本格デビューを果たした当時から、故障の多さとそれに起因するフィジカルコンディションの不安定さが泣き所と言われてきた。関節系や筋肉系の故障にたびたび悩まされ、トップコンディションでプレーするのは1年のうちほんの短い期間に過ぎなかったのだ。
 
 一方で、もうひとつの欠点と言われてきた、大舞台で活躍できないパーソナリティーの弱さは、近年のバイエルンの好調とともに完全に克服した印象だ。それだけに、本大会でのパフォーマンスは、とにかくフィジカルコンディションが鍵となる。
 
 ロッベンがベストコンディションなら、オランダはあらゆる試合を、そのワンプレーによって決められる。しかし彼の不在時には、凡庸なチームに成り下がり、対戦相手にバランスよく守られる状況をプレゼントする羽目になってしまう。
 
 スペイン、チリ、オーストラリアと同居する難しいグループをどう勝ち上がるかも含めて、オランダの命運はこの男の双肩にかかっていると言っても過言ではない。
 
分析:ロベルト・ロッシ
構成:片野道郎
 
※『ワールドサッカーダイジェスト 出場32か国戦術&キープレーヤー完全ガイド』p27より抜粋。

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