【セルジオ越後】3.11に想うこと――支援活動は365日、いつでもできることだ

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2018年03月10日

1年ごとに気持ちだけ収めて、というのは少し寂しいね。

東日本大震災から7年が経とうとしているけど、支援活動は自分にできる範囲で、いつでもできることでもあるよ(写真は2012年の東日本大震災復興支援スペシャルマッチ)。(C)SOCCER DIGEST

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 3月11日は、改めて言うまでもなく、東日本大震災が発生した日だ。
 
 あれから7年の月日が経つことになるね。当時の被害や復興の状況は地域によって違うと思うけど、実感としてはずいぶんと長い時間が流れたような気がするよ。
 
 今も仮設住宅で暮らしていたり、大変な思いをしている方たちがいる。一方でかつての生活を取り戻している人もいるなかで、もしかしたら記憶が薄れつつあるのかもしれないけど、誤解を恐れずに言えば、切り替えることも大事なのではないかと思うんだ。
 
 忘れてもいいと言っているわけではない。仕事ができる環境であれば、それに思い切り従事すべきだし、プロ選手であれば、グラウンドに行って一生懸命にプレーする。それが自然な形だとも思うんだ。
 
 特別な日に何かしらの行動を起こすのも大切だ。でも、それを事業に結びつけたり、個人や団体の社会的なPRになるような事態だけは避けたい。それが一番心が痛むし、一番やってはいけないことだと思う。
 
 3月11日にはJリーグの試合も予定されていて、その前後の試合日にも各会場で募金活動が行なわれるようだ。意味のあることだと思うけど、こうした活動はいつの間にかなくなってしまうケースもあるよね。
 
 当時を思い出させるきっかけになるとはいえ、1年ごとにその時期に気持ちだけ収めて、というのも少し寂しいよね。
 
 普段からチケットを買って、試合を観に行けば、少なからず経済を動かすことができる。そうやって地域を活性化させるのが“本当の募金”とも言えるのではないだろうか。
 
 日頃から復興への関心や意識を持っていれば、365日、何かしらのことができるわけだ。ある意味、それは義務でもあり、チャンスがあればそれぞれにできる範囲で何かをすればいい。
 
 サッカー選手であれば、毎試合のプレーで感動を与える。だからこそ、日々グラウンドで一生懸命にサッカーに打ち込んでほしい。
 
 復興活動をとりわけ美談として報道する必要もない。日常の中に組み込まれていれば、ノーマルな出来事として捉えられるようになるはずだ。
 
 常に復興を願い、行動する。そういう世の中であってほしいね。
 
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