[若手スピードスター分析(4)]プリシッチは急激な加減速と方向転換が武器だ

カテゴリ:ワールド

ロベルト・ロッシ

2018年03月02日

決定機に直結する高いクオリティーを持つ。

クリスティアン・プリシッチ
●所属クラブ:ドルトムント
●代表チーム:アメリカ代表
●生年月日:1998年9月18日
●身長・体重:172cm・69kg

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 一瞬のアジリティーや爆発的な加速で違いを作り出す「スピードスター」は、いつの時代もフットボールに熱狂を誘う存在だ。その新世代と言えるレロイ・ザネ(マンチェスター・C)、キリアン・エムバペ(パリSG)、ウスマンヌ・デンベレ(バルセロナ)、クリスティアン・プリシッチ(ドルトムント)という4人のヤングガンは、それぞれどんな特徴を持っているのか。現役イタリア人監督が各々を徹底分析する。最終回となる第4回はドルトムントの攻撃の切り札に君臨するプリシッチだ。
 
――◇◇――◇◇――◇◇――◇◇――
 
 4人の中ではエムバペと並んで19歳と最も若く、その意味で最も大きな伸びしろを残している。
 
 172センチと小柄だが筋肉質な体型で、線の細さは感じさせない。最大の武器は、その重心の低いコンパクトな体躯と両脚のパワーがもたらす際立ったアジリティーとクイックネス。オープンスペースでのドリブルやロングスプリントの伸びでは他の3人にやや見劣りするが、短い距離でトップスピードに達する爆発的な加速、狭いスペースで相手を翻弄する急激な加減速や方向転換は、4人の中でひとつ上のレベルにある。
 
 これらはよりゴールに近い密集したゾーンで違いを作り出す、決定機に直結するクオリティーであり、今後成長する中でさらに大きな武器になっていくはずだ。
 
 体格やプレースタイルだけに焦点を当てれば、タイプとしてはリオネル・メッシに近い。ショートカウンターでは短い距離でトップスピードに達する加速を活かしてDFをぶっちぎる。また、敵2ライン(DFとMF)間で前を向いて狭いスペースで仕掛ける1対1の突破でも、小さなストライドと鋭い身のこなしで緩急をつけながら、左右両足を自在に使いこなす高いテクニックで相手を揺さぶり、一瞬の加速で抜き去ってしまう。
 
 ただ、ゴールという目標から逆算してプレーする戦術感覚がまだ磨かれておらず、クオリティーを活かして目の前の相手を抜き去ることに満足する傾向も見受けられる。結果的にボールを持ち過ぎたりプレー選択を誤ったりして、フィニッシュに繋がる流れを潰したり、作り損ねるシーンも稀ではない。その点はマンチェスター・U入団当初のクリスチアーノ・ロナウドと似ている。
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