［高校サッカー選手権１回戦］清水桜が丘 1（3PK5）1 高川学園 ／12月31日／フクアリ
 
　エースに待っていたのは残酷な結末だった。
 
　12月31日に行なわれた高校サッカー選手権の１回戦。清水桜が丘はフクダ電子アリーナで高川学園と相まみえた。この試合の注目は、12回の日本一の経験を持つ清水商と庵原が統合して誕生した初出場・清水桜が丘の戦いぶり。とりわけ、大会屈指のFWと注目を浴びていた白井のプレーに熱視線が注がれていた。
 
　しかし、いざ試合を迎えると、先発メンバーに主将を務める白井の名はなかった。実は大会前に左ひじを脱臼し、ベンチスタートを余儀なくされていたのだ。「18日ぐらいに怪我をしたので、フルの状態では持ってくることができないと最初は言われていた。練習中に転んでつき方がよくなかった。しっかり治るまでには２か月ぐらいかかると言われたけど、ずっとトレーナーさんがケアをしてくれていたので、回復はすごく早かったと思う」と白井が語るように、万全の状態ではなかった。

「本当にトレーナーさんや周りの人がケアを含めていろいろ支えてくれたおかげで万全ではなかったけど、自分をピッチに立たせてくれた周りで支えてくれた人たちに感謝したい」

　エースは周囲のサポートを受けながら、懸命のリハビリで高校最後の大舞台に間に合わせてみせた。
 
　とはいえ、左ひじは脱臼をしている状態。後半８分にピッチに投入されたが、左手をかばいながらのプレーは困難を極めた。得意のドリブルで仕掛けても、コンタクトプレーを避ける形が多く、ゴールに向かうことができない。シュートに持ち込む場面もあったが、上半身を上手く使えず足だけを使った一撃では枠を捉え切れなかった。そこに関して、本人も万全ではなかったことを認め、「競り合いやドリブルなど、手で触られたりすると痛いところがあるので、そういうところはあまりできなかった」と無念そうな表情を見せた。

【選手権PHOTO】1回戦　 清水桜ケ丘１(３PK５)１高川学園　PK戦を制した高川学園が勝利！