「イス」より「ベンチ」の方が居心地悪い
60年ぶりの屈辱にまみれたイタリアにとって、再建に向けた第一歩となるのだろうか。
イタリア・サッカー連盟(FIGC)は現地時間11月15日、イタリア代表のジャン・ピエロ・ヴェントゥーラ監督の退任を発表した。一方で、FIGCのカルロ・タベッキオ会長は辞任を拒んでいる。
スウェーデンとのワールドカップ(W杯)欧州予選プレーオフに敗れ、1958年スウェーデン大会以来となる本大会出場を逃したイタリア。試合後に引責辞任について言葉を濁したヴェントゥーラ監督だったが、周囲が予想したように続投の可能性はなかった。
FIGCの声明では、ヴェントゥーラ監督が辞任したのか、解任されたか、明言はされていない。だが、イタリア各メディアは解任と報じており、イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、FIGCは税別で80万ユーロ(約1億円)をヴェントゥーラ監督に支払うことになるようだ。
指揮官の退任時には、就任以降の仕事への感謝や今後へのエールが記されることも少なくないが、FIGCの声明にそういった文言は含まれていない。
ガゼッタ・デッロ・スポルト紙は、「ヴェントゥーラと話し、彼の協力や仕事がもう必要でないこと、つまり今日から彼はもう代表監督ではないことを伝えた」というタベッキオ会長の発言を伝えている。
一方で、タベッキオ会長は後任について、「重要な監督たち(の招聘)を考えた。その道を全うできるか様子を見よう」とコメント。最有力候補とされるカルロ・アンチェロッティ氏ら、ビッグネームに打診する考えを明かした。
FIGCやガゼッタ・デッロ・スポルト紙によると、そのタベッキオ会長は週明けの会議で、今後に向けた提案をするという。だが、ヴェントゥーラ監督を選んだタベッキオ会長の任命責任を問う声も多い。
『スカイ・スポーツ』によると、15日の会議を途中で退席したイタリア・サッカー選手協会のダミアーノ・トンマージ会長は「タベッキオは辞任しないと言ったが、我々は(会長)選挙から再出発すべきと考える」と、タベッキオ会長ら首脳陣を批判している。
「他の出席者たちは立場を取らず、次の会議まであらゆる決定を先送りにした。我々からすると、辞任が前提だった。これでは、他のことについて話すのは難しい」
トンマージ会長はツイッターでも、「今日、(権力者の)イスよりも(監督の)ベンチの方が居心地悪いということを確認した」と、再び辞任しなかった連盟会長を非難している。
失意のどん底に叩き落されたカルチョの国は、いまだ混迷の最中にある。タベッキオ会長が続投し、アンチェロッティのような大物指揮官が代表監督を務めることで、イタリア・サッカー界は復権を遂げられるのか。今後に注視したい。
イタリア・サッカー連盟(FIGC)は現地時間11月15日、イタリア代表のジャン・ピエロ・ヴェントゥーラ監督の退任を発表した。一方で、FIGCのカルロ・タベッキオ会長は辞任を拒んでいる。
スウェーデンとのワールドカップ(W杯)欧州予選プレーオフに敗れ、1958年スウェーデン大会以来となる本大会出場を逃したイタリア。試合後に引責辞任について言葉を濁したヴェントゥーラ監督だったが、周囲が予想したように続投の可能性はなかった。
FIGCの声明では、ヴェントゥーラ監督が辞任したのか、解任されたか、明言はされていない。だが、イタリア各メディアは解任と報じており、イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、FIGCは税別で80万ユーロ(約1億円)をヴェントゥーラ監督に支払うことになるようだ。
指揮官の退任時には、就任以降の仕事への感謝や今後へのエールが記されることも少なくないが、FIGCの声明にそういった文言は含まれていない。
ガゼッタ・デッロ・スポルト紙は、「ヴェントゥーラと話し、彼の協力や仕事がもう必要でないこと、つまり今日から彼はもう代表監督ではないことを伝えた」というタベッキオ会長の発言を伝えている。
一方で、タベッキオ会長は後任について、「重要な監督たち(の招聘)を考えた。その道を全うできるか様子を見よう」とコメント。最有力候補とされるカルロ・アンチェロッティ氏ら、ビッグネームに打診する考えを明かした。
FIGCやガゼッタ・デッロ・スポルト紙によると、そのタベッキオ会長は週明けの会議で、今後に向けた提案をするという。だが、ヴェントゥーラ監督を選んだタベッキオ会長の任命責任を問う声も多い。
『スカイ・スポーツ』によると、15日の会議を途中で退席したイタリア・サッカー選手協会のダミアーノ・トンマージ会長は「タベッキオは辞任しないと言ったが、我々は(会長)選挙から再出発すべきと考える」と、タベッキオ会長ら首脳陣を批判している。
「他の出席者たちは立場を取らず、次の会議まであらゆる決定を先送りにした。我々からすると、辞任が前提だった。これでは、他のことについて話すのは難しい」
トンマージ会長はツイッターでも、「今日、(権力者の)イスよりも(監督の)ベンチの方が居心地悪いということを確認した」と、再び辞任しなかった連盟会長を非難している。
失意のどん底に叩き落されたカルチョの国は、いまだ混迷の最中にある。タベッキオ会長が続投し、アンチェロッティのような大物指揮官が代表監督を務めることで、イタリア・サッカー界は復権を遂げられるのか。今後に注視したい。

クラブレベルでは輝かしい実績を誇るアンチェロッティ。ガゼッタ紙のアンケートでは、アントニオ・コンテ、マッシミリアーノ・アッレグリを抑えて、最も就任が望まれる指揮官となったが、果たして彼はいかなる決断を下すのか。 (C) Getty Images