11月14日（現地時間）、ロシア・ワールドカップ欧州予選プレーオフ（PO）の第２レグが行なわれ、デンマークが５-１でアイルランドを下して本大会出場を決めた。


　残り最後の１枚となったロシア行きのチケットを懸けたダブリンでの一戦、第１レグをスコアレスドローで終えた両チームは、ゴールを求めて序盤から積極的に仕掛ける。
 
　３分、アウェーのデンマークは右サイドのFKをゴール前に入れると、アイルランドのマイラーがヘッドでクリアしようするが、ボールは後方に流れてGKランドルフがキャッチする。
 
　すると今度は６分、アイルランドがハーフウェーライン付近でFKを獲得。ゴール前に入ったボールを、ヨルゲンセンがクリアしようとするが、やはりボールは後方に流れ、ジャンプしたダフィが、飛び出したGKシュマイケルより先に頭でボールに触れ、貴重な先制ゴールをホームチームが奪った。
 
　リードされたデンマークはボールポゼッションを高め、パスを繋いで相手ゴールに迫る。わずかなスペースを衝いてバイタルエリアにも再三侵入し、17分にクビスト、18分にシストが決定的なシュートを立て続けに放つが、ランドルフが好反応を見せてこれを防いだ。
 
　20分あたりになると、アイルランドが攻勢に転じ、スムーズなパスワークから両サイドを攻略し、マーフィー、マクリーンが惜しいシュートを放つ。
 
　この頃には、デンマークはアイルランドの好守備でなかなかペナルティーエリア内に侵入できなかったが、29分、シストの強引なミドルシュートでCKを獲得。ショートコーナーでシストが左から入れたクロスをクリステンセンが合わせ、ボールはゆっくりと転がりながら、右ポストにはね返り、防ごうとしたクリスティに当たってゴールラインを割った。
 
　アウェーゴールを奪って同点とし、立場を逆転させたデンマーク。勢い付いた彼らは守備でも動きが良くなる。
 
　これが奏功して32分、自陣でアイルランドにプレッシャーをかけ続けてボールを奪うと、右サイドからカウンターを仕掛け、ポウルセンが中央のヨルゲンセンに通し、さらに左に流して、フリーのエリクセンがダイレクトでシュート。ボールはクロスバーを叩きながら、ゴール内に落ちた。
 
　デンマークがスコアでも逆転したが、ここからは両チームともに守備面で良さを発揮して、チャンスを作らせないまま前半が終了。時間帯によって、互いに攻守両面で持ち味を発揮した45分間だった。
 
　後半、アイルランドはゴールを狙ってより攻撃的な姿勢を示し、55分にはCKからダフィが競り勝ってのヘディングシュートでゴールに迫ったが、その分、守備が手薄となったことで、逆に53分にシスト、57分にエリクセンのきわどいドリブルシュートを許してしまう。
 
　そして63分、デンマークは中盤でピッチを広く使ったパスワークを展開。そこからシストが中央のエリクセンにパスを通すと、今予選絶好調のエースは狙いすましたシュートをゴール左隅に突き刺し、３点目をアウェーチームにもたらした。
 
　痛恨の失点にスタジアムから賑やかさが失われたなか、アウェーチームはさらに74分、決定的な１点を加える。ヨルゲンセンの右からクロスをワードがコントロールミス。こぼれ球に反応したエリクセンが強烈なシュートをゴールに叩き込み、この重要な一戦でハットトリックを達成した。
 
　終戦ムードのなかでアイルランドは踏ん張り、78分に交代出場のロングが抜け出して得点機を得るが、シュマイケルの頭上を越そうと放ったシュートはゴールマウスを捉えることはできない。
 
　デンマークは余裕を持って残り時間を過ごし、89分にはベントナーがエリア内でファウルを受けて得たPKを自身で決めて５-１。予想外の大勝を収めた北欧の雄が、敵地で２大会ぶり５回目の本大会出場を決めた。
 
　欧州予選はこれで閉幕。30番目の出場国が決まり、あとは２つの大陸間プレーオフを残すのみとなった。

◇本大会出場国
開催国：ロシア
欧州：ベルギー、イングランド、ドイツ、スペイン、ポーランド、セルビア、アイスランド、フランス、ポルトガル、スイス、クロアチア、スウェーデン、デンマーク
南米：ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン、コロンビア
北中米カリブ：メキシコ、コスタリカ、パナマ
アフリカ：ナイジェリア、エジプト、セネガル、チュニジア、モロッコ
アジア：イラン、日本、韓国、サウジアラビア