トップスピードに乗るためのスペースがないと…

20歳のスター候補としてなら申し分のない逸材であり、及第点以上の評価を与えられるところだが、ネイマールの穴を埋める即戦力の大物として加入したことが、デンベレにとっては大きな不幸である。 (C) Getty Images
予想していたことながら、やはり即戦力として計算できる選手ではなさそうだ。
ドルトムントからバルセロナに加入し、ネイマールの背番号11を受け継いだウスマンヌ・デンベレのことである。
リーガ・エスパニョーラ第3節のエスパニョール戦のラスト20数分、ユベントス戦の70分間を見ただけで判断するのは、明らかに時期尚早ではあるだろう。
しかも、エスパニョール戦では終了間際に右サイドからグラウンダーのクロスを通し、ルイス・スアレスの今シーズン初ゴールをアシスト。ユベントス戦ではDFを背負った状態で縦パスをキープし、リオネル・メッシに繋げて先制ゴールの起点となった。
この2プレーだけを切り取れば、上々の滑り出しと言えないこともない。
だが、この2試合で検証した総合的なパフォーマンスは、彼に対して加入前から抱いていた不安要素を裏付けるものだった。
トップスピードに乗るためのスペースがあれば、彼は持ち前の突破力を発揮することができる。先述の2つのシーンも、やはり相手が間延びして周囲に大きなプレースペースが生じている状況でのプレーだった。
一方で相手の守備組織が整い、スペースが限定された状況下でボールを受けた際のプレーからは、技術、判断力ともに物足りない印象を受けた。
ネイマールのように静止した状態からでも能動的にフェイントをかけてマーカーを揺さぶり、周囲とのコンビネーションを駆使してアタッキングサードの密集地帯を突破できるようなスキルやプレーの引き出しは、少なくとも現段階では見せられていない。
ジョゼップ・グアルディオラとティト・ビラノバの時代と比べ、近年のバルサは、中盤が間延びした状態でカウンターの応酬を仕掛けるシーンが多く見られるようになっている。その点では、彼のスピードに乗ったドリブル突破が活きるシーンがあることも確かだろう。
それでもバルサとの対戦においては、今でも多くのチームが後方のスペースを消して堅守速攻策に徹してくる。
そう考えると、彼のようなタイプはスターターとしてではなく、ユベントス戦の後半ように、相手がゴールを求めてラインを押し上げてきた際に切り札として投入するスーパーサブ的な使い方に限られてくる。
ドルトムントからバルセロナに加入し、ネイマールの背番号11を受け継いだウスマンヌ・デンベレのことである。
リーガ・エスパニョーラ第3節のエスパニョール戦のラスト20数分、ユベントス戦の70分間を見ただけで判断するのは、明らかに時期尚早ではあるだろう。
しかも、エスパニョール戦では終了間際に右サイドからグラウンダーのクロスを通し、ルイス・スアレスの今シーズン初ゴールをアシスト。ユベントス戦ではDFを背負った状態で縦パスをキープし、リオネル・メッシに繋げて先制ゴールの起点となった。
この2プレーだけを切り取れば、上々の滑り出しと言えないこともない。
だが、この2試合で検証した総合的なパフォーマンスは、彼に対して加入前から抱いていた不安要素を裏付けるものだった。
トップスピードに乗るためのスペースがあれば、彼は持ち前の突破力を発揮することができる。先述の2つのシーンも、やはり相手が間延びして周囲に大きなプレースペースが生じている状況でのプレーだった。
一方で相手の守備組織が整い、スペースが限定された状況下でボールを受けた際のプレーからは、技術、判断力ともに物足りない印象を受けた。
ネイマールのように静止した状態からでも能動的にフェイントをかけてマーカーを揺さぶり、周囲とのコンビネーションを駆使してアタッキングサードの密集地帯を突破できるようなスキルやプレーの引き出しは、少なくとも現段階では見せられていない。
ジョゼップ・グアルディオラとティト・ビラノバの時代と比べ、近年のバルサは、中盤が間延びした状態でカウンターの応酬を仕掛けるシーンが多く見られるようになっている。その点では、彼のスピードに乗ったドリブル突破が活きるシーンがあることも確かだろう。
それでもバルサとの対戦においては、今でも多くのチームが後方のスペースを消して堅守速攻策に徹してくる。
そう考えると、彼のようなタイプはスターターとしてではなく、ユベントス戦の後半ように、相手がゴールを求めてラインを押し上げてきた際に切り札として投入するスーパーサブ的な使い方に限られてくる。