【番記者通信】背後に“白い影”? 補強禁止処分に異議|バルセロナ

カテゴリ:メガクラブ

ルイス・マルティン

2014年04月07日

久保やイ・スンウの獲得で規則違反との判断が。

18歳以下の選手10人の獲得で規則違反があったというのが補強禁止処分の理由。日本の久保建英(右から2人目)のケースもそこに含まれているという。 (C) Getty Images

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 バルサの幹部は先週、こんな言葉を繰り返していた。

「もうなんでもありだよ。チームの誰かが妊娠したと聞いても、私は信じるだろうね」

 練習場の第1グラウンドでは、トップチームの面々がトレーニングをしている。そこにジェラール・ピケの姿はなかった。チャンピオンズ・リーグのアトレティコ・マドリー戦(準々決勝・第1レグ)で負傷したピケは、心身両面でショックを受けているようだった。準々決勝の第2レグ(4月9日)はもちろん、レアル・マドリーとの国王杯決勝(4月16日)にも出られないのだ。

 衝撃の一報が入ったのは、そんなときだ。

「バルサが2015年夏まで移籍市場での活動を禁止された」

 FIFAによると、18歳以下の10人の選手を不正に獲得したというのが理由だ。そのなかには、3年前から母親とバルセロナに住んでいる日本人、久保建英も含まれている。

 騒動の1年だった。リオネル・メッシの脱税疑惑に始まり、ネイマールの獲得に虚偽があったとしてサンドロ・ロセイ会長が辞任。極めつけが、バルサのアイデンティティーでもあるマシアに関するこの問題だ。

 思い返せば3年前、チューリヒでのFIFAバロンドール授賞式のステージに立っていたのは、マシアが育てた3人だった。メッシ、シャビ、そしてアンドレス・イニエスタ。今回問題になった少年たちは、すでに当時からバルセロナに住んでいた。あの時、FIFAの役人たちは、下部組織から育ったメッシ、シャビ、イニエスタを手放しで称えていたものだ。受賞者のメッシは、今回指摘されたひとり、イ・スンウと同じ形で、父親とともにバルセロナへとやって来ている。

 青田買いを制限して選手を守る、それがFIFAの目的だ。だが、久保やイ・スンウのケースは別とするべきだ。イ・スンウは、南アフリカで開催されたユース大会で才能を見出され、韓国サッカー協会の許可を得てバルサに入団している。新たなメッシと言われる彼は、バルサの下部組織のような環境にいたほうが伸びる、そんな周囲の判断でやって来たのだから。

 そもそもの発端は、いわゆる匿名の訴えだ。そのために、FIFAからまずイ・スンウに処分が下り、バルサでの公式戦に出場できなくなっていた。18歳以下の国際移籍を禁じた規約に違反したというのがその理由だ。イ・スンウはバルセロナを出て行こうとは思っていない。バルサでプレーするか、サッカーをやめるかの選択で揺れているそうだ。

 この匿名の訴え(バルサ幹部は白い影、つまりマドリーが裏で動いたと見ている)が、補強禁止の処分を呼ぶことになった。バルサは提訴する構えだが、その裁定はどう転ぶか分からない。すでに退団が決まっているビクトール・バルデスとカルレス・プジョール(どちらもカンテラ育ちだ)の代役を獲得できるのか、いまはまったく不透明な状況だ。

 幹部は繰り返した。
「メッシが妊娠したと聞いても驚かないよ。もう、なにが起きても……」

【記者】
Luis MARTIN|El Pais
ルイス・マルティン/エル・パイス
スペインの一般紙『エル・パイス』のバルセロナ番とスペイン代表番を務めるエース記者。バルサの御用新聞とも言えるスポーツ紙『スポルト』の出身で、シャビ、V・バルデス、ピケらと親交が厚く、グアルディオラ(現バイエルン監督)は20年来の親友だ。

【翻訳】
豊福晋
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