【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|「交代選手と握手」の根底にある学生時代の経験

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年05月17日

「フルで使う」と考えて先発出場させている。

交代カードを切る際には、戻ってきた選手を必ず出迎えて握手するようにしている。写真:サッカーダイジェスト

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 仙台の渡邉晋監督による現役指揮官コラム「日晋月歩」の第10回。テーマは第1回と同じく「選手交代」だ。途中交代でピッチから退く選手を指揮官はどんな想いで迎えているのか。また、自身の信念を形成した経験とは? 大宮戦を振り返りつつ、語ってもらった。
 
――◆――◆――
 
[J1リーグ11節]大宮 2-1 仙台/5月14日(日)/NACK
 
 14日の大宮戦では68分に梁(勇基)と奥埜(博亮)、74分にクリス(クリスラン)と(西村)拓真、83分にハチ(蜂須賀孝治)と小島(雅也)を交代した。
 
 梁の交代は、彼のパフォーマンスが悪かったからではない。前半から何度も相手最終ラインの背後を取ろうと駆け引きをしており、出し手がその動きを探せなかったからボールを通せなかっただけの話だ。
 
 後半には、ボールを奪った後の推進力がよりほしいと考えた。さらにクリスもイエローカードを1枚もらっているうえに体力が残っていないのが明白で、そうなるとナオ(石原直樹)をワントップに置いて……と様々な思考を組み合わせると、まずは「奥埜」という選択肢が生まれた。
 
 74分にピッチを退いたクリスはゴールを決めるだけでなく、ヘディングでの競り合いなどタフに戦ってくれていた。それでも前線での動き出しが鈍くなっていたため、ナオへのフォローアップという面もあって拓真を投入した。
 
 最後の交代は少し引っ張った。ハチはミスが増え、CKのビッグチャンスも逃したが、小島は大宮戦に向けた紅白戦でしか右ウイングバックとしてプレーしていない。今季は3バックが主戦場で、ゲームのテンションとスピード感に戸惑わないか心配もあった。
 
 私は選手交代をする際、戻ってきた選手を必ず出迎え、握手するようにしている。逆サイドからピッチを出て、ぐるっと遠回りして戻ってくる場合もあるが、ベンチに座ってから必ず握手をする。
 
「なぜ俺が!」と感情をむき出しにする選手だっている。それでも、「ここまでよくプレーしてくれた。まだ戦いたいだろうが、ひとまずご苦労さん」と迎え入れるんだ。むしろ、そうでないとダメ。なぜならば、「フルで使う」と考えて先発出場させているわけだから。
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