【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|感慨深い一戦で成長の証を示した背番号18

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年05月09日

タマが特別な想いで臨んでいたのは明白だった。

FC東京戦を前半戦のターニングポイントだと考えていた。それだけに、敗戦となったのは非常に残念だ。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 仙台の渡邉晋監督による現役指揮官コラム「日晋月歩」の第9回。テーマは「古巣戦」だ。FC東京には平山相太、三田啓貴、増嶋竜也が在籍していたことがあるが、前に所属していたクラブとの対戦は選手にとってどのようなものなのだろうか。渡邉監督自身の経験も含めて語ってもらった。
 
――◆――◆――
 
[J1リーグ10節]仙台 0-2 FC東京/5月7日(日)/ユアスタ
 
 FC東京戦を前半戦のターニングポイントだと考えていた。結果を残せなかったのは、非常に残念でならない。その重要な試合を迎えるにあたり、「選手たちを煽って送り出す」か「連勝の勢いを買って普段と同様にする」か。
 
 私は後者を選択した。「大一番」のようなことは言わず、「戦うこと」と「楽しむこと」をキーワードとして伝えただけ。世間はゴールデンウィークで、しかもゲームの日は最終日(5月7日)だ。
 
 様々なエンターテインメントがあるなかで、1万7千人を超える人がユアテックスタジアム仙台に足を運んでくれた。さらに画面を通せば、より多くの人が試合を見てくれている。その人たちに何を届けることができるのか。
 
 一番大きいのは、もちろん勝利だ。その他に、見てくれている人たちの心を動かす。それができれば、エンターテインメントとして素晴らしい。心を動かすために必要なことを考えたら、それは「戦っている姿」と「プレーしている選手たちが楽しんでいる姿」だった。
 
 苦悶の表情だけを浮かべていたら、観戦している側も面白くない。「笑顔=楽しい」ではないが、狙ったプレーを表現できた時の選手たちの躍動感は、やらされている姿勢では絶対に出ないだろう。
 
 もしかしたら、「我々の明暗を分ける試合だ」と選手たちに発破をかけていたら結果は違ったのかもしれない。それでも、後悔はない。
 
 そういった戦いで古巣との戦いを迎えたのが(平山)相太、タマ(三田啓貴)、マス(増嶋竜也)の3名だ。相太は負傷もあってベンチ入りしてなかったので、実際にピッチに立ったのはタマとマス。
 
 タマは下部組織からお世話になっていただけでなく、明治大学を経由して戻った経緯もある。昨季のレンタル移籍を経て、今季から仙台に完全移籍を果たしたものの、古巣戦にはより特別な想いで臨んでいたのは明白だった。
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