ポジティブな空気感が漂うイングランド代表。物議を醸したメンバー選考の成否は?

カテゴリ:国際大会

山中忍

2017年03月28日

物議を醸したメンバー選考は正解だった?

誰もが期待する救世主が現われたわけではないが、堅実な戦いとチームとしての成熟ぶりを披露した。 (C) Getty Images

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 この3月の国際Aマッチウィークを終えたイングランド代表のムードを10段階で示せば、チームに対する国内各紙の平均評価と同じく「7」だ。手放しでは喜べないが、ポジティブな要素が不安よりも上回っている。
 
 グループ首位を走るロシア・ワールドカップ欧州予選、リトアニア戦(〇2-0)で先制点を挙げ、『サン』紙の見出しで「デフォー・キャン・ゴー」と本大会メンバー入りの「可能性」もあると讃えられた、ジャーメイン・デフォーがその象徴だ。
 
 ハリー・ケイン、ダニエル・スターリッジらが故障中であったとはいえ、34歳の再招集にはリスクがあった。しかし、デフォーは、2013年以来となる代表でのプレーの機会を与えてくれたガレス・サウスゲイト監督の期待に、丸4年ぶりの代表ゴールで応えてみせた。
 
 いるべきところにいて、決めるべくして決めるデフォーは、得点チャンスが少ない降格候補のサンダーランドにあって、今シーズンのプレミアリーグでは28試合・14得点を記録しており、代表入りは正当なものと言える。

 そして今回の代表戦のパフォーマンスにより、過去の実績よりも現在の調子を重んじるサウスゲイト監督による人選もまた、「正当」だったと世間に納得させた。
 
 昨年11月末に正式に指揮権を得たサウスゲイト監督による、物議を醸した今回のメンバー招集は、最終ラインでも「吉」と出た。

 国内でも全国レベルでは無名に近い、バーンリーに所属するCBの24歳マイケル・キーンは、敵地でドイツに挑んだ3月22日のデビュー戦(親善試合/●0-1)と、4日後のリトアニア戦でいずれフル出場。計180分間、堂々たるプレーを披露した。
 
 マンチェスター・U下部組織出身のキーンは、タックルは力強く、フィードにも難はなし。3バックを採用したドイツ戦で、戦術的な順応性も披露した。リトアニア戦の後には、足下に自信を持つジョン・ストーンズとの、長期的新CBコンビ誕生の可能性がメディアで囁かれたくらいだ。
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