レジェンドの軌跡 THE LEGEND STORY――第18回・フリット(元オランダ代表)

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サッカーダイジェストWeb編集部

2017年03月16日

ミランの黄金時代の幕を開いた立役者であり、数々の栄光に浴す。

驚異的な馬力を誇り、跳躍力も抜群。そして足元のテクニックにも優れ、シュート力も備えていたフリットは、それまでにはいないタイプの選手だった。 (C) Getty Images

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 本誌ワールドサッカーダイジェストと大人気サッカーアプリゲーム・ポケサカとのコラボで毎月お送りしている「レジェンドの言魂」では、サッカー史を彩った偉大なるスーパースターが、自身の栄光に満ちたキャリアを回想しながら、現在のサッカー界にも貴重なアドバイスと激励を送っている。
 
 さて、今回サッカーダイジェストWebに登場するのは、トレードマークのドレッドロックヘアを振り乱しながら、華麗なテクニックと優れた身体能力で敵を翻弄し、チャンスとゴールを量産した褐色のスーパースター、ルート・フリットだ。
 
 低迷していたオランダ代表に栄光をもたらし、イタリアでは全てのタイトルを勝ち取った偉大な男の軌跡を、ここで振り返ってみよう。
 
――◇――◇――
 
 1962年9月1日、オランダのアムステルダムにて、ルート・フリットは南米スリナム出身の両親のあいだに生を受けた。
 
 ストリートサッカー、地域のサッカーチームで技を磨いていった彼は、78年にHFCハーレムと契約を交わし、翌年にプロデビューを飾る。まだ16歳の時だった。
 
 3シーズンで91試合出場32得点という成績を残した彼には、早くもイングランドのアーセナルやイプスウィッチといったクラブが興味を示したものの、次なる行き先はフェイエノールトとなった。
 
 83-84シーズンには、オランダのレジェンドであるヨハン・クライフとともにリーグ&カップの国内二冠に貢献したフリット。高い身体能力、ハイレベルなテクニックを活かし、攻撃で力を発揮する一方で、時に守備的な役割もそつなくこなせる選手だった。
 
 85年にPSVに移籍。在籍した2シーズンのいずれもリーグ制覇を果たした。この頃にはその名前は欧州中に広まっており、86年の夏にはスペインのバルセロナが、彼とアヤックスのマルコ・ファン・バステンの獲得を狙っていた。
 
 2シーズンで68試合出場46得点という高い得点力を見せ付けたフリットを、87年にPSVから引き抜いたのは、イタリアのミランだった。1800万ギルダー(かつてのオランダの通貨)という移籍金は、当時の世界最高額だったが、フリットはその額に見合った活躍をいきなり披露する。
 
 移籍した年にバロンドールを受賞した彼は、シルビオ・ベルルスコーニ会長とアリーゴ・サッキ監督によって大変貌を遂げようとしていたミランの攻撃の核として活躍。チームはナポリとのデッドヒートを制してスクデットを獲得し、後に長く続いていく黄金時代の幕を開いたのである。
 
 ミラン入団時は、ドレッドロックヘアと現役のレゲエ・ミュージシャン(オランダではヒットチャートにも入っていたという)という面にスポットライトが当てられたフリットだが、すぐにイタリア人たちは、彼のプレーに目と心を奪われることとなったのである。
 
 同時にミラン入りしたファン・バステンに加え、88年にはフランク・ライカールトも加わり、「オランダ・トリオ」はミランの強さの象徴となって、89年にはチャンピオンズ・カップ(現リーグ)を制覇。さらに同年末にはミランは、東京でのトヨタカップで世界一に輝いた。
 
 しかし、このナシオナル・メデジン(アトレティコ・ナシオナル)との延長戦にもつれ込んだ一戦に、フリットは出場していない。彼はこの頃から膝を痛めて欠場することが多くなっていった。
 
 ミランは90年に欧州&世界連覇、91-92シーズンにはセリエA史上初の無敗優勝を果たすなど、数々の伝説を創り上げるなかで、フリットは怪我に苦しみながらも、少なからぬ貢献を果たした。
 
 ただ、当時の最新鋭のプレッシング戦術を提唱したサッキ、ファビオ・カペッロといった指揮官とは、役割をめぐって対立することも少なくなかった。自由を求める彼に、前者は陸上選手のような運動量を求め、後者はポジションを固定しようとしたからだ。
 
 そのため、92-93シーズンにはベンチを温めることも多くなった彼は、翌シーズンにレンタルでサンプドリアへ移籍してコッパ・イタリア優勝を果たす。一度はミランに復帰するも、95年には正式にサンプドリアの一員となった。
 
 しかしここでの滞在時間は短く、95-96シーズン、フリットは長く過ごしたイタリアを去り、プレミアリーグのチェルシーに新天地を求める。イングランドのサッカーに適応するのには時間がかかったものの、次シーズンにはクラブにとって27年ぶりのタイトルとなるFAカップを勝ち取った。
 
 プレイングマネジャーとしては得たこのタイトルは、彼にとって、監督としては最初の、そして選手としては最後の勲章となった。

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