【横浜】「ラッキーです」と謙遜する前田。劇的な決勝点はいかにして生まれたか?

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年02月25日

「ただただ、浮かないように。冷静に、枠に」

途中出場から勝点3をもたらすゴールを決めた前田。決して簡単なシュートではなかったが、冷静に左足を振り抜いてネットを揺らした。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 値千金の活躍だった。この男の一振りで、横浜は大きな勝点3を手にしたのだから。

 
 81分にダビド・バブンスキーとの交代で前田直輝がピッチに入る。ポジションはトップ下。ただし、投入直後はあまりプレーに絡めず、お世辞にも存在感があったとは言い難かった。
 
 もっとも、本人からすれば、虎視眈々とチャンスをうかがっていたのかもしれない。求められる仕事は、ゴールに絡むこと。そして、その大役を見事に果たしてみせた。
 
 2-2で迎えた90+2分、左サイドから仕掛けた齋藤学から、グラウンダーのクロスが来る。選択肢はひとつしかない。ダイレクトでシュート。「もう、ラッキーです。学くんが、良い場所に流してくれたので」と振り返る前田は、ゴールシーンでは冷静だった。
 
「ただただ、浮かないように。冷静に、枠に。ゴロ(のシュート)だったら、もしかしたらセカンドボールでまたチャンスが生まれるかもしれない。浮いて、枠を外すのが、一番シラケるなと思ったので(笑)」
 
 昨オフには中村俊輔を含め、何人かの主力が去り、ある意味で、リスタートを切った横浜が、開幕戦という大事なゲームで、優勝候補の浦和を3-2で下してみせた。

 前田は自覚を強くし、やる気に満ちている。
 「失ったものは絶対に大きい。それを埋めていく、(その人たちを)越していくのが、残された人たちの使命。ましてや、自分は俊さんが付けていた25番を与えられているからには、その番号に恥じないように」
 
 かつての大黒柱を彷彿とさせるパフォーマンスだったという意味を込めて、『背番号25でトップ下、そして決勝点』と投げかけると、前田は再び、「ラッキーです」とやや照れたような表情を浮かべながら、「続けられるように頑張ります」と、さらなる活躍を誓った。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

【横浜3-2 浦和 PHOTO】終盤の逆転劇で横浜が浦和を撃破!
 
【関連記事】
【J1採点&寸評】横浜 3-2 浦和|内容は浦和に軍配も“勝負強さ”で上回った横浜が点の取り合いを制す!
【J1】横浜の新10番・齋藤が2アシスト! 良くも”悪くも”存在感を発揮
【J1速報】横浜3-2浦和|またもや齋藤! 前田への絶妙アシストで浦和を撃破!!
【横浜】齋藤が新キャプテンに就任!中澤ら4人が副キャプテンとしてサポート
【横浜】齋藤学はなぜ10番にこだわり残留を決断したか――新生F・マリノスはどう変わる?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ