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【指揮官コラム】鹿児島ユナイテッドFC監督 三浦泰年の『情熱地帯』|湯処で「あるバイオリニストの闘争心」に触れて

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェストWeb編集部

2017年02月23日

障がいを持つバイオリニストの生き方に感銘を受け……。

「鹿児島ゆアルテッドFC」のポスター。鹿児島は源泉数、公衆浴場数では全国トップクラスを誇る。画像提供:鹿児島ユナイテッドFC

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 鹿児島ユナイテッドFCは、鹿児島の温泉銭湯をPRしている。
 
 クラブ名の鹿児島「ユナイテッドFC」をもじって、「鹿児島ゆアルテッドFC」として各方面からスポンサードしてもらい活動。「湯」がないのではなく、「湯」がある鹿児島として、地元の「湯」をPRしている。
 
 僕の住居からゆっくり歩いて8分の所にも「太陽ヘルスセンター」という湯処があり、たまに汗を流しに利用している。
 
 ある日、そこのサウナでNHKの「しぶ5時」という番組を見ていたら、脳に障がいを持つバイオリニストの式町水晶さんの、バイオリンを通しての生き方がクローズアップされていた。
 
 サウナは長くて10分、しかし彼が登場したそのコーナーが興味深く、出られないまま20分弱を我慢して水風呂に……。
 そんな彼のメンタリティに共感できた。
 
 彼は学生時代、「いじめ」にも遭い、それをバネに障がい者として健常者に負けたくない、見返したいという気持ちでバイオリンを追求していったという。
 
 こうして文字で書けば簡単で軽く感じるかもしれないが、画面から伝わってくる彼の熱に感じさせられる物が多かった。「自分は弱いからと先に進もうとしない、やろうとしない」という人が少なくない世の中で、障がい者として健常者に闘争心むき出しでコンプレックむき出しであったと語るのである。
 
 スポーツでは当たり前の「負けて闘争心を持つ、認められず解雇され、レギュラーを外され闘争心が芽生え、変わる」などといったことはよく聞く話であろうが、脳に障がいを持つ少年が将来、未来に向けてバイオリンを通して健常者に負けたくないという気持ちを強く持ち、自分を支える。
 僕は凄い奴だと画面に釘付けになり、聞き入ることになった。
 
 その彼は「格闘技も大好きで……」と語りつつ、ある出来事を紹介した。
 
 それは式町さんのバイオリンを聞いた健常者である少年の手紙だった。その手紙には「僕も水晶さんのようになりたい」とあったそうだ。
 
 すると、健常者の少年からの言葉に、式町さんを支える「健常者への闘争心」に変化があったと……。
 そしてバイオリンを教えてくれた先生のもとを訪れると、その演奏に先生は「すべてがあなたの音なのよ」と語りかけ、今の闘争心が少し抑えられた音も、彼を支えることになった強い反骨心、闘争心も同じ素晴らしい音なのだ、という言葉に彼は涙していた。
 
 きっと、式町さんはいつも健常者という周りに氣を取られていた自分から「自分自身が何をしていくか?」「自分自身が何をしたいか?」と、矢印が自分に向けられたのだと思う。
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