「“これは奪えそうだな”という段階で、すでに攻撃の準備をしている」
シーズンの締めくくりとなる天皇杯では決勝に進出し、川崎を破って見事に優勝を成し遂げた。これで“19冠目”を達成。今の鹿島は常勝軍団の名に恥じない、盤石の強さを誇っている。
7年ぶり8度目のリーグ制覇、そしてクラブワールドカップでの準優勝と、2016年は“鹿島、強し”を強く印象づける一年だった。
個人的にも期待値は高かった。石井監督の下、昨年に比べて「ボールを奪う」という点で格段にレベルアップしていたからで、前線からの連動性で、誰ひとりとしてサボる選手がいなかった。
鹿島というチームが強い時は、まずは安定した守備が際立っていることが多い。堅牢なディフェンスが機能することで良い流れが生まれ、勝利を引き寄せる。最終ラインでは昌子がどっしりと構え、植田は高いモチベーションで着実に経験値を上積みし、ゴールを死守する。
一方の攻撃面では、カイオが高い貢献度を示していた。彼が多くのゴールチャンスを作りながら、岳や金崎、鈴木、土居といったあたりも高いパフォーマンスを披露。とりわけ岳は攻守両面でフル稼働して、様々な場面でチームを助けていた。
チームとして守備の部分で揺るぎない土台が形成され、個々が躍動感溢れるプレーを見せる。とにかく、ボールを奪ってからゴールに向かっていくスピードが、Jリーグのどのクラブよりも速かった。
マイボールにしてから動くのではない。“これは奪えそうだな”という段階で、すでに攻撃の準備をしている。次の展開を予測できている。だから、奪った時点で攻撃に素早く映ることができる。ボールを前に運ぶ際も、シンプルで無駄がない。効率の良いショートカウンターで、第1ステージを勝ち取ってみせたのだ。
しかし、第2ステージはまさかの低迷を余儀なくされた。第1ステージで優勝した時、ほとんどの選手が喜んでいなかったとはいえ、チャンピオンシップの出場権を手に入れたことで、油断ではないけど、気持ちの面で隙ができてしまったのではないかと思う。
なぜそう考えるかは、セットプレーの失点が目につくようになったから。集中力が足りなかったのか、ちょっとしたマークのずれで相手にシュートを打たせてしまっているのは、どこか気の緩みがあったからではないだろうか。
【天皇杯決勝PHOTO】鹿島 2-1 川崎|ファブリシオ弾で鹿島が今季二冠&通算19冠を達成
7年ぶり8度目のリーグ制覇、そしてクラブワールドカップでの準優勝と、2016年は“鹿島、強し”を強く印象づける一年だった。
個人的にも期待値は高かった。石井監督の下、昨年に比べて「ボールを奪う」という点で格段にレベルアップしていたからで、前線からの連動性で、誰ひとりとしてサボる選手がいなかった。
鹿島というチームが強い時は、まずは安定した守備が際立っていることが多い。堅牢なディフェンスが機能することで良い流れが生まれ、勝利を引き寄せる。最終ラインでは昌子がどっしりと構え、植田は高いモチベーションで着実に経験値を上積みし、ゴールを死守する。
一方の攻撃面では、カイオが高い貢献度を示していた。彼が多くのゴールチャンスを作りながら、岳や金崎、鈴木、土居といったあたりも高いパフォーマンスを披露。とりわけ岳は攻守両面でフル稼働して、様々な場面でチームを助けていた。
チームとして守備の部分で揺るぎない土台が形成され、個々が躍動感溢れるプレーを見せる。とにかく、ボールを奪ってからゴールに向かっていくスピードが、Jリーグのどのクラブよりも速かった。
マイボールにしてから動くのではない。“これは奪えそうだな”という段階で、すでに攻撃の準備をしている。次の展開を予測できている。だから、奪った時点で攻撃に素早く映ることができる。ボールを前に運ぶ際も、シンプルで無駄がない。効率の良いショートカウンターで、第1ステージを勝ち取ってみせたのだ。
しかし、第2ステージはまさかの低迷を余儀なくされた。第1ステージで優勝した時、ほとんどの選手が喜んでいなかったとはいえ、チャンピオンシップの出場権を手に入れたことで、油断ではないけど、気持ちの面で隙ができてしまったのではないかと思う。
なぜそう考えるかは、セットプレーの失点が目につくようになったから。集中力が足りなかったのか、ちょっとしたマークのずれで相手にシュートを打たせてしまっているのは、どこか気の緩みがあったからではないだろうか。
【天皇杯決勝PHOTO】鹿島 2-1 川崎|ファブリシオ弾で鹿島が今季二冠&通算19冠を達成