ジダンが認めた男が力強く宣言。「決勝でもゴールを!」

カテゴリ:国際大会

竹田 忍(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

2016年12月16日

指揮官の厚い信頼にゴールで応える

貴重な先制ゴールを決めた後、ベンゼマが真っ先に向かったのはジダン監督のもとだった。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部) 

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【クラブW杯準決勝】クラブ・アメリカ 0-2 レアル・マドリー/2016年12月15日/横浜国際総合競技場

 トニ・クロースのスルーパスに鋭く反応し、右足のアウトで蹴り込んだのは前半ロスタイム。カリム・ベンゼマはゴール右隅にボールが飛び込むのを確認すると、自陣ベンチに向かってゆっくり走り出した。
 
 ベンチ前で熱い抱擁を交わしたのは、ジネディーヌ・ジダン監督だった。指揮官はこの場面をこう振り返る。

「祝福したよ。嬉しそうだった。フォワードにとってゴールを決めるのは大切なことだ」
 
 ベンゼマの今シーズンは、決して順風満帆ではなかった。調子に波があり、公式戦の連続無敗記録を更新して波に乗るチームとは裏腹に、彼は確実に評価を落としていた。
 
「ベンゼマではなくアルバロ・モラタをスタメンで使うべきだ」
 
 地元マドリードのメディアも、夏にユベントスから復帰し、途中出場が多い中でもコンスタントに結果を残していた(リーガ・エスパニョーラではベンゼマと同じ4ゴール)モラタの先発起用を、強く訴えていた。
 
 しかし、こうした“ストライカー論争”が巻き起こっても、ジダン監督は冷静に自身の考えを貫き通す。

 たしかにモラタは効率よくゴールを稼ぐ。だが、マドリーのCFには、点を取る以外に、クリスチアーノ・ロナウドやガレス・ベイル、あるいはルーカス・バスケスらのためにスペースを作ったり、中盤の選手と連動して攻撃を組み立てたりといった動きが求められる。

 そして、そうしたプレーはモラタよりベンゼマのほうが圧倒的に優れていると、ジダン監督は判断したのだろう。
 
 ポジションこそ違うが、バルセロナで“MSN”の破壊力を最大限に引き出しているアンドレス・イニエスタのような役割を、ベンゼマは担っているのだ。
 
 クラブ・アメリカ戦でもマドリーの背番号9は、序盤から正確なポストプレーで攻撃に厚みをもたらし、激しくポジションを入れ替えながらゴールにアタックするロナウドとL・バスケスを輝かせるための黒子役を、見事にこなしていた。
 
 そのうえで彼は、貴重な先制ゴールをも奪ってみせたのだ。
 
 ゴールのあと、真っ先に指揮官のもとへ向かったのは、自分を信じて起用しつづけてくれたことへの感謝を伝えるためだったのだろう。
 
「長距離移動の後で難しい試合だったけど、勝てて良かった」。試合後、淡々とした表情でそう語ったベンゼマは、最後に力強い言葉を残してスタジアムを後にしている。
 
「決勝でもゴールを決めてみせる」

取材・文:竹田 忍(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

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