U-16日本代表の主将、福岡慎平はやはり大物だった

カテゴリ:高校・ユース・その他

川原 崇(高校サッカーダイジェスト)

2016年11月01日

高1のどこにそんなスタミナがあるのか

抜け目ないポジショニングと卓越したプレービジョンが魅力の福岡。ルーキーながら、京都U-18の攻守の要だ。写真:川原崇(高校サッカーダイジェスト)

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 土日はJユースカップ3回戦の取材で、御殿場に足を運んだ。
 
 ラウンド・オブ16に進出したチームが時の栖で一堂に会するのだ。この好機を逃す手はない。小雨まじりの寒風が吹き荒れるなか、2日間で8試合はなかなかハードだったが、新たな発見がそこかしこに転がっていた。ペン記者は私ひとり。嬉しいやら悲しいやら、ボーっとしていると監督や選手がすぐに引き上げてしまうので、何度も坂を上り下りした。

【Jユースカップ3回戦】久保建英が1G1Aと躍動!
 
 そんななか、じっくりプレーを見て、話してみたいお目当ての選手がいた。京都サンガU-18の1年生MFで、U-16日本代表でキャプテンを務める福岡慎平だ。
 
 先のU-16アジア選手権では、ナンバー10を背負って中盤を牛耳った。絶妙だったのが、ボランチでコンビを組んだ平川怜(FC東京U-18)との引き出し合いだ。フットボールIQの高い者同士が奏でる共鳴は、日本サッカーの未来を明るく照らしてくれた(少し大袈裟か)。加えて、その言動やリーダーシップも素晴らしかったと聞く。その16歳が、骨太の大分トリニータU-18を向こうに回してどう振る舞うのか。食い入るように観察した。
 
 福岡は、4-2-3-1システムのボランチでスタメン出場。まず気づいたのが、抜け目のないポジショニングだ。平川もそうだが、チームのパスワークを円滑にするべく、細かく位置を修正しては巧みにボールを引き出している。試合は途中から肉弾戦の様相を呈し、長い球が飛び交う大味な展開になりつつあったが、福岡はひとりサイドに流れてボールを収め、チームのスタイルを貫こう、ゲームを落ち着かせようと奔走していた。戦況を見極め、すぐさま対応する能力に長けている。
 
 圧巻だったのが、ボール奪取力。ひと回りは大きい相手に対しても果敢にコンタクトを仕掛け、球際の争いで無類の強さを誇る。170㌢・62㌔と決してサイズには恵まれていないが、至近距離で眺めると、引き締まった身体と大きなお尻が印象的だ。激しくぶつかっても芯がブレない。若かりし日の稲本潤一のお尻も逸品で、同じように武器にしていた。
 
 試合は互いのディフェンス陣が奮起し、90分を終えても均衡が破れない。ぐちゃぐちゃのピッチに手こずり、疲労が限界に達しつつある選手たち。そんななかで迎えた10分ハーフの延長戦で、さらにギアをひとつ上げたのが福岡だった。活動範囲をさらに広げ、U-16日本代表でも何度か披露した、ゴール前に一気に駆け上がる場面も見られた。高校1年生のどこに、そんなスタミナがあるのか。信じられないタフネスぶりだ。
 
 延長戦でも決着が付かず、PK戦へ。京都がこれを4-2でモノにし、ベスト8に駒を進めた。
 
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