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STVVに縁ある選手が11月シリーズの日本代表に8人。キャプテン谷口彰悟は実感「本当に貴重なクラブだと思う」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2025年11月14日

「“大人の戦い方”ができたことは大きなステップ」

STVVの主将を務める谷口。長期離脱から復帰し、試合ごとに調子を上げている。(C)STVV

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 11月9日、シント=トロイデン(STVV)はベルギーリーグ第14節でスタンダールに対し、スコアのうえでは1-0という僅差だったが、会心の試合運びで勝利した。試合後の円陣でワウター・フランケン監督が締めの言葉をかけ終わると、選手たちが水を掛け合う“ウォーターファイト”で勝利を喜んだ。

 試合を完全に支配しながら、FW後藤啓介が先制ゴールを奪ったのは57分のこと。以降は2点目を奪いに行きつつ、しっかり無失点で試合を終わらせることも両立させた試合展開に、STVV在籍2季目のDF谷口彰悟主将は、チームが成長している手応えを感じていた。

「もちろん早く攻めたい気持ちはあった。しかし、相手を押し込むハーフコートゲームを進めていけば、どこかで穴は開いてくる手応えがあった。こうして1点取ってしまえば、あとは不用意にスペースを空けることなく試合を終わらせるだけ。

 若い選手の多いチームなので、昨季からゴールを取りたいからどんどん攻め急いで、自分たちからオープンな展開を作ってしまうことがかなり多かった。“大人の戦い方”ができたことは、STVVにとって大きなステップだった」

 アキレス腱断裂という重症からカムバックした谷口は、試合ごとに調子を上げている。

「その感覚はあります。今日は水を漏らさないゲームができました。相手のフォワードは強かったですけれど、ボールを収めさせなかった」

 以前、「僕はエリートでもなんでもないので、代表で確立されたポジションはない。『常に最後』という覚悟で代表活動に行っているし、これからもそうです」と語った谷口。ここ1か月のSTVVでのパファーマンスを振り返ると、10月に引き続き、11月シリーズでも日本代表に選ばれたのは順当と言えるだろう。

 11月シリーズで初めて日本代表に招集されたGK小久保玲央ブライアンはクリーンシート、後藤は決勝ゴールと、スタンダール相手に結果を残した。谷口は新鋭2人の活躍をどう見るか。

「代表前のゲームをゼロで終わらせて、なおかつ自分で点を取り、気持ち良く合流できると思います。

 代表選手としての自覚が2人に芽生えている。そのことによって、STVVに良い影響力をもたらしてほしい。日本代表でトレーニングすることで、“基準”や“意識”が変わってくる。今まではSTVVから僕ひとりでしたが、今回は日本代表の“基準”を知る選手が3人に増える。その“基準”をしっかりSTVVに持って返ってくることが、僕たち3人にとって大事なことだと思います」
 
 今回、STVVから3選手が招集されたことには、3つの意義がある。

・2018年にDMM.comのSTVVプロジェクト立ち上げ時、「日本にとって人材不足のGK、CB、ストライカーを育てる」と掲げ、第1期の冨安健洋がCBとして羽ばたいた。GKはシュミット・ダニエル、鈴木彩艶、小久保と3代続けて代表選手になった。そして今回、ストライカーの後藤が招集された。

・Jリーグから欧州のビッククラブに移籍した選手にとって、STVVはそこで足りなかったものを補う“やり直しの場”として機能している。鎌田大地(当時はフランクフルトが保有元)に続き、後藤もSTVVで実戦経験を積んでから来年夏、アンデルレヒトに戻る予定だ。

・第1期の冨安、鎌田、遠藤航のトリオを端緒に、STVVはコンスタントに日本代表に選手を送り込み続け、今回は27人中(辞退した鈴木を含む)、8人がSTVVと縁のある選手である。

「ここから世界へ」を旗印に掲げるSTVVの貢献を、谷口はどう思うか。

「それはものすごく貢献していると思います。今回も3人が選ばれたし、このクラブを経てステップアップした選手を入れると、今回の代表も相当な人数になる」

――8人います。

「それだけでも、このクラブの存在意義、価値が高い。『日本サッカーに対してものすごく貢献している』と間違いなく言える。

 STVVから羽ばたいていった選手たちが結果を残して、良い人材がこのクラブに入ってきて、そこからステップアップして代表に入っていく――そんなサイクルができると思います。この流れを作る責任を僕自身、感じてますし、今回入った2人もそのことを感じないといけない。本当に貴重なクラブだと思う」
 
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