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想像以上にハードな移動と時差。北中米W杯の貴重なシミュレーション。1分け1敗の厳しい結果に終わったアメリカ遠征の収穫【日本代表】

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2025年09月12日

マイナス16時間、遠藤も苦笑い

9月シリーズでメキシコ、アメリカと戦った森保ジャパン。ピッチ内外で貴重な経験を積んだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

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 2026年北中米ワールドカップを見据え、試金石となった日本代表の9月アメリカ遠征。遠藤航(リバプール)や堂安律(フランクフルト)ら主力級がズラリと並んだ6日のメキシコ戦は、内容的に上回りながらのスコアレスドロー。9日のアメリカ戦は先発総入れ替えで挑み、0-2の完敗。1分け1敗と非常に厳しい現実を突きつけられた。

 アメリカ戦の敗因は、単に選手層の問題だけではなく、移動と時差の部分も大きかった。メキシコ戦が行なわれたカリフォルニア州オークランドから、オハイオ州コロンバスまでは3400キロ。直行便でも約5時間かかる。時差は前者が日本からマイナス16時間、後者がマイナス13時間。1日の中で3時間、進むことになったのだ。

 このスケジュールを考慮して、森保ジャパンは移動日の7日のトレーニングを回避。ホテル調整だけにとどめた。それでも選手たちの疲れは、完全には癒えなかったようだ。

「3時間っていうのは、一日が感覚的に短くなりますし、翌日(8日)の朝ご飯がフリーだったんですけど、ほとんどの選手が来ていなかった。今回はちょっと厳しかったですね」と久保建英(レアル・ソシエダ)も率直な感想を口にした。

 目下、日本代表選手の大半が欧州でプレーしているのは周知の事実。欧州域内であれば、地図が頭に入っているし、移動距離も感覚的に分かるから戸惑うことはない。しかしながら、アメリカという国に対しては、ほとんどのメンバーが不慣れで、知識も十分ではないだろうし、プレー経験も少ないのだ。

「マイナス16時間というのは聞いたことがないし、今、欧州が何時なのかもよく分からない」と遠藤も初戦の後、苦笑いしていたが、今回の移動と時差は想像以上にハードルが高かったと言うしかない。
 
 仮にアメリカ戦で主力組が2試合続けてスタメン出場していたら、もっとパフォーマンスが上がらなかった可能性もある。「移動からできることは全部やりましたし、試合に向けて最善の準備ができた」と自信をのぞかせた伊東純也(ヘンク)のような選手は、ほんの一握り。それを再認識したうえで、日本サッカー協会、代表チームがベストな調整法を見出していくことが重要になるはずだ。

 もう1つ、今回のアメリカ遠征で分かったのが、地域による気象条件と環境の格差である。

 西海岸に位置するオークランドの9月の平均気温は、最高21度・最低13度。猛暑の日本から見ると格段に低い。これは太平洋の海上で発生するマリーンレイヤー(海霧)の影響によるもので、実際に代表が活動した期間もかなり肌寒かった。長友佑都(FC東京)が「サッカーをするには最高の気温」とコメントしていたが、本当にそういう印象だった。

 一方のコロンバスは、9月の平均気温が最高22度・最低9度。湿度が低くカラッとしている。ただ、日本代表が滞在した期間は暑く、日中は27~28度まで上がっていた。2都市でもこれだけ気温が変化することを体感できたのは、今回の成果と言える。

 ただ、これはあくまで9月の気候であり、本大会が開催される6~7月はもっと暑く過酷な条件下での戦いを強いられるだろう。

 実際、2026年W杯はアメリカ11都市・カナダ2都市・メキシコ3都市の16都市で試合が行なわれる。そのことも我々は今一度、しっかりと頭に入れておかなければいけない。
 
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