忘れられない空気感
ACLエリート(ACLE)準優勝を経て、さらにパフォーマンスの質を上げている川崎DFの佐々木旭。アジアのトップレベルの舞台を経験したからこそ見えるようになった世界とは。今の率直な想いを聞いたインタビューシリーズである。
(第3回/全3回)
――◆――◆――
サウジアラビアで集中開催され、完全アウェーのなかで行なわれたACLEの準々決勝以降の戦い。そんな舞台を“楽しかった”と語れるのが、川崎DF佐々木旭の充実ぶりを物語っているのだろう。
「見ている方々は、完全アウエーで、しかもサウジの集中開催で大変そうだと思っていたはずですが、僕らからすれば、めちゃくちゃ楽しい2週間でした。知らない地で、試合ができる。しかもあんな大観衆の前でプレーでき、こんなに貴重な経験はないなっていう感じでした。
さっきも話した通り1年目の僕だったら、高熱を出していたと思います(笑)。でも成長してこられ、楽しめるメンタルを持てた。決勝を含めた3試合とも中2日で大変な面もありましたが、試合をするのも、練習をするのも、リカバリーでプールに入るのも楽しかった。すべてを前向きに捉えていました。
あの暑さで、しかも、1試合目は延長まで戦って、本来は中2日でやれるような状況じゃないんですよ。でもアドレナリンも出ているから、中2日が長く感じたほど。ホテルでみんなと3食をともにして、リカバリーして、誰かの部屋でサッカーの話をして、本当、濃密でした。
もちろんプレッシャーもありましたよ。でもその分のやりがいがありました。みんなそうだったはずです。ACLは毎年出られるわけではないですし、すべてを堪能しようと、そういう気持ちでした。しかも上に行くためのアピールにもつながり、優勝してクラブの歴史を変えたいとの想いも強かったです。
しかも、起用された選手が活躍して、チームとしてもすごく良い雰囲気でした。試合に出られていなかった(土屋)櫂大、野田(裕人)、神橋(良汰)らも、本当にしっかり練習に取り組んでいた。その姿もすごく大きかったですね」
(第3回/全3回)
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サウジアラビアで集中開催され、完全アウェーのなかで行なわれたACLEの準々決勝以降の戦い。そんな舞台を“楽しかった”と語れるのが、川崎DF佐々木旭の充実ぶりを物語っているのだろう。
「見ている方々は、完全アウエーで、しかもサウジの集中開催で大変そうだと思っていたはずですが、僕らからすれば、めちゃくちゃ楽しい2週間でした。知らない地で、試合ができる。しかもあんな大観衆の前でプレーでき、こんなに貴重な経験はないなっていう感じでした。
さっきも話した通り1年目の僕だったら、高熱を出していたと思います(笑)。でも成長してこられ、楽しめるメンタルを持てた。決勝を含めた3試合とも中2日で大変な面もありましたが、試合をするのも、練習をするのも、リカバリーでプールに入るのも楽しかった。すべてを前向きに捉えていました。
あの暑さで、しかも、1試合目は延長まで戦って、本来は中2日でやれるような状況じゃないんですよ。でもアドレナリンも出ているから、中2日が長く感じたほど。ホテルでみんなと3食をともにして、リカバリーして、誰かの部屋でサッカーの話をして、本当、濃密でした。
もちろんプレッシャーもありましたよ。でもその分のやりがいがありました。みんなそうだったはずです。ACLは毎年出られるわけではないですし、すべてを堪能しようと、そういう気持ちでした。しかも上に行くためのアピールにもつながり、優勝してクラブの歴史を変えたいとの想いも強かったです。
しかも、起用された選手が活躍して、チームとしてもすごく良い雰囲気でした。試合に出られていなかった(土屋)櫂大、野田(裕人)、神橋(良汰)らも、本当にしっかり練習に取り組んでいた。その姿もすごく大きかったですね」
自国で戦うサウジアラビア勢との差や、川崎は中2日での試合を強いられたことなど、周囲からは“不公平さ”を指摘する声もあった。だが、それも佐々木は気にしていなかった。
「そこはオニさん(鬼木達前監督)が良く言っていた『自分に矢印向けろ』という言葉も背中を押してくれたと思います。だから日程のせいなどにしている人はいなかったです。(相手サポーターの)大きいブーイングすらもここでしか経験できないものだと、楽しさを覚えていました。
また、当初は街を歩いていても、『お前らどうやって勝つんだ』みたいに、なんだかなめられているという印象もあったんです。でも決勝まで行ったら、色んなところで声をかけられるようになった。その熱も思い出深いですね。しかも、向こうは国のなかでライバル意識が高いから『アル・アハリには負けるな』と、他のクラブのサポーターが僕らのことを応援してくれた。あの空気感も忘れられないですね」
「そこはオニさん(鬼木達前監督)が良く言っていた『自分に矢印向けろ』という言葉も背中を押してくれたと思います。だから日程のせいなどにしている人はいなかったです。(相手サポーターの)大きいブーイングすらもここでしか経験できないものだと、楽しさを覚えていました。
また、当初は街を歩いていても、『お前らどうやって勝つんだ』みたいに、なんだかなめられているという印象もあったんです。でも決勝まで行ったら、色んなところで声をかけられるようになった。その熱も思い出深いですね。しかも、向こうは国のなかでライバル意識が高いから『アル・アハリには負けるな』と、他のクラブのサポーターが僕らのことを応援してくれた。あの空気感も忘れられないですね」