元日本代表監督はプレーの“回転数”と表現
「リカルド(・ロドリゲス監督)のやり方が、また変わっている。だから安易に比較ができない」
横浜F・マリノスとのアウェーゲームで2-0と勝利した試合後、決勝ゴールとなる先制点を決めた小泉佳穂は、浦和レッズでのリカルド1年目と、現在の柏レイソルでの完成度を聞かれた時に、そう答えた。
「一番違うのはハイプレスとトランジション。そこが大きな違い」と小泉。なぜ変わったのかを、小泉が指揮官から説明されたわけではない。ただ、日本を離れている時期に、リカルド監督がアップデートしていること、そして何よりJリーグの潮流が数年間で大きく変わったことも、その選択に影響を与えていることは想像に難くない。
2023年と24年にJリーグを連覇したヴィッセル神戸しかり、昨シーズンに昇格組ながら3位に躍進したFC町田ゼルビアしかり。ロングボールを織り交ぜながら、ダイレクトにゴールを目ざすスタイルが席巻しており、それまでタイトルを分け合ってきた川崎フロンターレや横浜FMも、少なからず変容を迫られた。
そうした潮流のなかで、昨シーズンは最終節に残留を決めた柏に、これまでと異なるポゼッションのスタイルを標榜するリカルド・ロドリゲス監督が来ると聞いて、危うさを感じたサッカーファンは少なくなかったはずだ。
実際にリカルド監督はポゼッションをベースに、自陣から丁寧にボールを動かすスタイルを押し出してきたが、前からプレッシャーをかけて、高い位置でボールを奪うディフェンスにもトライしてきた。
横浜F・マリノスとのアウェーゲームで2-0と勝利した試合後、決勝ゴールとなる先制点を決めた小泉佳穂は、浦和レッズでのリカルド1年目と、現在の柏レイソルでの完成度を聞かれた時に、そう答えた。
「一番違うのはハイプレスとトランジション。そこが大きな違い」と小泉。なぜ変わったのかを、小泉が指揮官から説明されたわけではない。ただ、日本を離れている時期に、リカルド監督がアップデートしていること、そして何よりJリーグの潮流が数年間で大きく変わったことも、その選択に影響を与えていることは想像に難くない。
2023年と24年にJリーグを連覇したヴィッセル神戸しかり、昨シーズンに昇格組ながら3位に躍進したFC町田ゼルビアしかり。ロングボールを織り交ぜながら、ダイレクトにゴールを目ざすスタイルが席巻しており、それまでタイトルを分け合ってきた川崎フロンターレや横浜FMも、少なからず変容を迫られた。
そうした潮流のなかで、昨シーズンは最終節に残留を決めた柏に、これまでと異なるポゼッションのスタイルを標榜するリカルド・ロドリゲス監督が来ると聞いて、危うさを感じたサッカーファンは少なくなかったはずだ。
実際にリカルド監督はポゼッションをベースに、自陣から丁寧にボールを動かすスタイルを押し出してきたが、前からプレッシャーをかけて、高い位置でボールを奪うディフェンスにもトライしてきた。
もうひとつ、小泉が言うように、攻守のトランジションに対する意識も、4シーズンを率いた徳島ヴォルティスや、天皇杯を制した当時の浦和よりも強く表われており、それが現在のJリーグでもポゼッションを軸に戦いながら、守備の安定と相手を心身ともに疲弊させる攻撃を可能にしていると言える。
横浜FM戦でも、ボールを動かして相手ディフェンスを困らせるだけでなく、相手ボールになってもハイプレスでパスカットやセカンドボールを回収して、ハーフコートに近い状態を長い時間で作れていたことを指摘すると、小泉は「ポゼッションのところとハイプレスのところがチームの生命線だと思うので。ハードワークが根幹にあって、そこは続けていけたらいいなと思います」と語った。
浦和時代の教え子である小泉をはじめ、徳島からの縁があるFW垣田裕暉やMF渡井理己など、いわゆる“リカルド・チルドレン”が多いことや、そうした縁がなくても右センターバックの原田亘やGK小島亨介のように、いかにもスタイルにマッチした選手をリカルド監督のリクエストで獲得できたこと。そして従来のトップチームと違い、つなぐサッカーをベースにしてきたレイソルユース出身の古賀太陽、田中隼人、熊坂光希、山田雄士らが融合することで、早期に“リカルド・サッカー”が形になった背景は間違いなくある。
それに加えて、高強度に適応した新たなポゼッション・スタイルを構築していることが、リカルド監督が率いる柏の強みと言える。インテンシティ(強度)というと、“当たりの強さ”をイメージされやすいが、専門的にはテンポの早さが大きな要素になっている。
かつて日本代表で指揮を執ったアルベルト・ザッケローニ監督は、それをプレーの“回転数”と表現したが、そういう基準で見れば、ポゼッションをベースにした現在の柏も高強度のサッカーに他ならない。
柏レイソル大解剖!! 魅惑的なリカルド戦術の正体【サッカーダイジェスト最新号は5月10日(土)発売】
横浜FM戦でも、ボールを動かして相手ディフェンスを困らせるだけでなく、相手ボールになってもハイプレスでパスカットやセカンドボールを回収して、ハーフコートに近い状態を長い時間で作れていたことを指摘すると、小泉は「ポゼッションのところとハイプレスのところがチームの生命線だと思うので。ハードワークが根幹にあって、そこは続けていけたらいいなと思います」と語った。
浦和時代の教え子である小泉をはじめ、徳島からの縁があるFW垣田裕暉やMF渡井理己など、いわゆる“リカルド・チルドレン”が多いことや、そうした縁がなくても右センターバックの原田亘やGK小島亨介のように、いかにもスタイルにマッチした選手をリカルド監督のリクエストで獲得できたこと。そして従来のトップチームと違い、つなぐサッカーをベースにしてきたレイソルユース出身の古賀太陽、田中隼人、熊坂光希、山田雄士らが融合することで、早期に“リカルド・サッカー”が形になった背景は間違いなくある。
それに加えて、高強度に適応した新たなポゼッション・スタイルを構築していることが、リカルド監督が率いる柏の強みと言える。インテンシティ(強度)というと、“当たりの強さ”をイメージされやすいが、専門的にはテンポの早さが大きな要素になっている。
かつて日本代表で指揮を執ったアルベルト・ザッケローニ監督は、それをプレーの“回転数”と表現したが、そういう基準で見れば、ポゼッションをベースにした現在の柏も高強度のサッカーに他ならない。
柏レイソル大解剖!! 魅惑的なリカルド戦術の正体【サッカーダイジェスト最新号は5月10日(土)発売】