チームは公式戦2連勝
8年続いた鬼木達監督体制から、長谷部茂利監督体制に移行した川崎が、望外の好スタートを切った。
2月11日の初の公式戦、ACLEのアウェー韓国での浦項戦に4-0で勝利した“新生フロンターレ”は、中3日で迎えたホームでのリーグ開幕戦の名古屋戦も4-0で大勝。2試合で8得点・0失点と、できすぎの船出を切ったのである。
“魅せて勝つ”をテーマにしてきたチームは、長谷部監督の下で守備面も強化。昨季リーグで下から7番目だった失点数(57)を“20”減らし、リーグ2位だった得点数(66)をより伸ばすことをポイントにプレシーズンから強化を進めてきたが、4-2-3-1を基本布陣に、良い守備から良い攻撃という新たな特長を見せている。
システマチックなディフェンスからボールを奪えば、素早い崩しやサイドからの展開でゴールを重ねているのだ。
現にボランチの山本悠樹も「守備の部分で自分たちが余裕を持ってできている分、そんなに焦って取りにいかなくても良いですし、相手が来てくれて、ボールを引っかければ、自分たちで点を取りに行ける感覚もあるので、守備のところからリズムが出ているのは良い事かなと感じますね」と語っている。
従来の川崎を知っている人からすれば思うところも多々あるかもしれないが、結果が出ているのは事実。しかも、名古屋戦では4ゴールすべてをアカデミー出身選手が奪う、クラブとしても非常にポジティブな成果も手にしている。
【動画】フロンターレ山内&宮城のゴール
2月11日の初の公式戦、ACLEのアウェー韓国での浦項戦に4-0で勝利した“新生フロンターレ”は、中3日で迎えたホームでのリーグ開幕戦の名古屋戦も4-0で大勝。2試合で8得点・0失点と、できすぎの船出を切ったのである。
“魅せて勝つ”をテーマにしてきたチームは、長谷部監督の下で守備面も強化。昨季リーグで下から7番目だった失点数(57)を“20”減らし、リーグ2位だった得点数(66)をより伸ばすことをポイントにプレシーズンから強化を進めてきたが、4-2-3-1を基本布陣に、良い守備から良い攻撃という新たな特長を見せている。
システマチックなディフェンスからボールを奪えば、素早い崩しやサイドからの展開でゴールを重ねているのだ。
現にボランチの山本悠樹も「守備の部分で自分たちが余裕を持ってできている分、そんなに焦って取りにいかなくても良いですし、相手が来てくれて、ボールを引っかければ、自分たちで点を取りに行ける感覚もあるので、守備のところからリズムが出ているのは良い事かなと感じますね」と語っている。
従来の川崎を知っている人からすれば思うところも多々あるかもしれないが、結果が出ているのは事実。しかも、名古屋戦では4ゴールすべてをアカデミー出身選手が奪う、クラブとしても非常にポジティブな成果も手にしている。
【動画】フロンターレ山内&宮城のゴール
名古屋戦は前半こそ苦戦を強いられたが、後半は打って変わって攻守の切り替えを早め、58分にはセットプレーから売り出し中の20歳のCB高井幸大が192センチの長身を生かしたヘッドで先制ゴールをマーク。
これで勢いに乗ったチームは、桐蔭横浜大を経て川崎に復帰して3年目の新エース候補、24歳のFW山田新が左SB三浦颯太のお膳立てから追加点。
そして同じく桐蔭横浜大を経て昨季、川崎でプロとなった23歳のMF山内日向汰が嬉しい初ゴールで続き、その山内の絶妙なクロスから、山内とアカデミーの同期である23歳のFW宮城天(宮城はU-18から昇格)がお洒落なヒールで4点目を決めてみせた。
自らもアカデミー出身であるキャプテンの脇坂泰斗は「僕が点を取れればもっと良かったですが情けないです」と周囲を笑わせながら、後輩4人が活躍した意味を強調する。
「アカデミー選手がたくさん点を取って勝つというのは、クラブにとっても新しい一歩を踏み出せたのかなと思います。またそこに至るまで彼らを指導したアカデミーのスタッフの方が多くおり、新たな拠点としてAnkerフロンタウン生田ができたり、すごく力を入れてきたなかで、彼らの活躍は今の育成年代の選手の励みになるはずですし、アカデミーのコーチの方々も嬉しいはずです」
ここ数年、急速に力を付けてきた川崎の育成組織の出身者としては欧州で活躍する三笘薫、田中碧らも有名で、現チームには、若き日本代表の一員としてU-20アジア選手権に参戦中の司令塔・大関友翔らがいるなどタレントを輩出し続けている。
もっとも彼らの活躍を喜びながら、忘れてはいけないのは、その裏には、今季からトップチームのスタッフに加わった長橋康弘ヘッドコーチ、佐原秀樹コーチ、吉田勇樹コーチらアカデミーを支えてきた人たちの貢献や、若手を温かく時には厳しく指導してきた鬼木達前監督らの尽力があったこと。
そうした“種まき”が、ひとつの成果として表われたのは大きなことである。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
【記事/インタビュー①】恩師の退任、初の長期離脱、不甲斐ない結果...もがき続けた昨季を経て30歳になる川崎の脇坂泰斗は2025年をどう戦うのか
【記事/インタビュー②】苦しかった時にかけられたケンゴさんの言葉。自分を見失いかけた川崎の脇坂泰斗が新シーズンへ抱える覚悟
これで勢いに乗ったチームは、桐蔭横浜大を経て川崎に復帰して3年目の新エース候補、24歳のFW山田新が左SB三浦颯太のお膳立てから追加点。
そして同じく桐蔭横浜大を経て昨季、川崎でプロとなった23歳のMF山内日向汰が嬉しい初ゴールで続き、その山内の絶妙なクロスから、山内とアカデミーの同期である23歳のFW宮城天(宮城はU-18から昇格)がお洒落なヒールで4点目を決めてみせた。
自らもアカデミー出身であるキャプテンの脇坂泰斗は「僕が点を取れればもっと良かったですが情けないです」と周囲を笑わせながら、後輩4人が活躍した意味を強調する。
「アカデミー選手がたくさん点を取って勝つというのは、クラブにとっても新しい一歩を踏み出せたのかなと思います。またそこに至るまで彼らを指導したアカデミーのスタッフの方が多くおり、新たな拠点としてAnkerフロンタウン生田ができたり、すごく力を入れてきたなかで、彼らの活躍は今の育成年代の選手の励みになるはずですし、アカデミーのコーチの方々も嬉しいはずです」
ここ数年、急速に力を付けてきた川崎の育成組織の出身者としては欧州で活躍する三笘薫、田中碧らも有名で、現チームには、若き日本代表の一員としてU-20アジア選手権に参戦中の司令塔・大関友翔らがいるなどタレントを輩出し続けている。
もっとも彼らの活躍を喜びながら、忘れてはいけないのは、その裏には、今季からトップチームのスタッフに加わった長橋康弘ヘッドコーチ、佐原秀樹コーチ、吉田勇樹コーチらアカデミーを支えてきた人たちの貢献や、若手を温かく時には厳しく指導してきた鬼木達前監督らの尽力があったこと。
そうした“種まき”が、ひとつの成果として表われたのは大きなことである。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
【記事/インタビュー①】恩師の退任、初の長期離脱、不甲斐ない結果...もがき続けた昨季を経て30歳になる川崎の脇坂泰斗は2025年をどう戦うのか
【記事/インタビュー②】苦しかった時にかけられたケンゴさんの言葉。自分を見失いかけた川崎の脇坂泰斗が新シーズンへ抱える覚悟