新生・川崎、好スタートの理由とは。長谷部茂利監督就任による大きな変化

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2025年02月15日

公式戦2試合で8得点・0失点

名古屋戦ではアカデミー出身の山内(26番)が初ゴールを挙げるなど快勝。スタジアムも沸いた。(C)SOCCER DIGEST

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[J1第1節]川崎 4-0 名古屋/2月15日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

 いよいよ開幕した2025のJリーグで、大阪ダービーを5-2で制したC大阪とともに、好スタートを切ったのが新体制となった川崎である。

 8年続いた鬼木達監督体制から、今季は長谷部茂利監督体制に移行。すると2月11日の初の公式戦となったACLEのアウェー韓国での浦項戦に4-0で勝利し、ホームでのリーグ開幕戦の名古屋も4-0で大勝。2試合で8得点・0失点と、手応えの掴める船出を切った。

 元々“魅せて勝つ”をテーマに攻撃面に特長のあるチームだったが、長谷部監督が就任した新シーズンは、昨季リーグで下から7番目だった失点数(57)を“20”減らし、リーグ2位だった得点数(66)をより伸ばすことをポイントに挙げて強化。

 4-2-3-1を基本布陣に、システマチックなディフェンスからサイドを活かした攻撃や、素早い崩しがハマり、攻守両面で成果を得ている。

 ボランチの山本悠樹も名古屋戦後に手応えを語る。

「(浦項戦のように)持たれる相手であっても、守備から組織的な構成をしたなかで、やられる感覚はしないですし、持たれてもネガティブになることもないです。それは攻守両面において良い効果をもたらしてくれていると思います。

 守備の部分で自分たちが余裕を持ってできている分、そんなに焦って取りにいかなくても良いですし、相手が来てくれて、ボールを引っかければ、自分たちで点を取りに行ける感覚もあるので、守備のところからリズムが出ているのは良い事かなと感じますね。

 相手が蹴って来るにしても、持たれるにしても自分たちがやることは変わらないですし、やられたくないところから消して、消したところから出て行って、それに合わせて後ろがズレていく。それで上手くシステマチックに守れていると思いますし、今日も前半はちょっとありましたが、そんなにやられるシーンもありませんでした。そこで余裕を持って守備をできている分、逆に良い形でボールを奪えることも多いので、そこで前につければ攻撃に出て行ける。守備からリズムが出ていると思います」

 そしてボランチとして自らの仕事にも整理がついているとも続ける。

「ファーストディフェンダーのかけ方によって、(ボランチの)自分が消せるところ、消す経ち位置も変わってくると思いますし、そこらへんは、キャンプの時も、細かい話がスタッフのかたからあったりしました。でも、やり方としてはそんなに難しくないですし、そこを理解すれば、良い形でボールを取って、出ていきやすくなる。組織的に守っていますが、攻撃も出ていきやすいので、出て行けるところも自分の良いところのひとつになっている。そこらへんをまた示せると良いですね」
【動画】フロンターレ山内&宮城のゴール

アカデミー出身の4人が揃ってゴール。(写真左から)宮城、高井、山内、山田が写真に収まった。(C)SOCCER DIGEST

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 またキャプテンの脇坂泰斗も守備が整備された分、攻撃への良い変化を口にする。

「役割が分担され、迷いがない分、それが積み重なって勢いにつながっていると思います。(攻撃面でも)奪いどころが共有できていたら、ここで奪えるんだったら、(攻撃につなげられるように)ここで準備しようという考えが生まれています。

 攻撃をしていると、ここで奪われてしまうかもしれないと予想する部分がありますが、それの逆バージョンで、守備でここで奪うんだったら、次、ここで待っていたらボール来るよなと。そういう考えにつながっているので、スムーズに攻撃に移行できている部分はあります」

 また脇坂は試合後のロッカールームの雰囲気もポジティブに映ったという。

「喜んではいますが、まだリーグで1勝、公式戦で2勝しただけですし、(引き締まっている)そういう雰囲気があって僕は嬉しかったです。開幕戦を勝ったことは嬉しいですが、一喜一憂したくなかったので、それがみんなに伝わっているようで、喜び過ぎていなかったのが、そして次への意識があったのが嬉しかったです」

 まだシーズンは始まったばかり。ここから様々な課題も出てくるに違いないが、新生・川崎は好スタートを切ったと言えるだろう。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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