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全治1年の大怪我から完全復活へ――2025年の齊藤未月は“一番のプレーモデルで憧れ”の山口蛍の後継者になれるか【神戸】

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2025年01月29日

“ミスター・ポジティブ”らしい勇敢な発言も

長いリハビリを乗り越えてピッチに戻ってきた齊藤。2月15日の開幕戦に照準を合わせてコンディションを上げている。写真:元川悦子

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 Jリーグ3連覇、そしてアジア・チャンピオンズリーグ・エリート制覇に向け、目下、沖縄キャンプで調整を続けているヴィッセル神戸。2月8日には今季最初のビッグマッチであるFUJIFILMスーパーカップ2025のサンフレッチェ広島戦を控えているが、現在は数人の負傷者が出ている模様だ。

「スーパーカップから僕らは8連戦、10連戦という状況になる。怪我人の回復を待ちつつ、今いる戦力をうまくやりくりしながらチームの底上げを図っていくしかない」と吉田孝行監督は努めて前向きにコメントしていたが、現有戦力のコンディションを急ピッチで引き上げなければならないのは確かだろう。

 そんなチームにとって朗報と言えるのが、2023年8月の柏レイソル戦で大怪我をした齊藤未月が戻ってきたこと。1月29日の公開練習でも、彼はしっかりとした足取りでランニングを繰り返し、ボールを蹴っていた。時折、笑顔も見せており、サッカーができる喜びを前面に押し出しているようにも見て取れた。

 正直言って、ここまでの道のりは険しかったはずだ。「左膝関節脱臼、左膝複合靱帯損傷(前十字靭帯断裂、外側側副靭帯断裂、大腿二頭筋腱付着部断裂、膝窩筋腱損傷、内側側副靭帯損傷、後十字靭帯損傷)、内外側半月板損傷で全治約1年の見込み」と発表された時点では、「本当にピッチに戻ってこられるのか」という不安の声があちこちから聞こえたほどだ。

 宮市亮(横浜)が2022年7月に右膝前十字靭帯を断裂した時には「病院のベッドで天井を見ながら『俺はこの先、どうするんだろうな』という絶望感に襲われました」と語っていたが、齊藤の場合はそこまでの悲壮感はなかったという。

「怪我した瞬間はスローモーションだったから、『治らないものではないな』という感覚でした。治らないものだったら、そういう意識さえなかっただろうから。その後、ドクターに『治らない怪我じゃない』と言われた時は、頭的にも身体的にも大丈夫だと思った。

 諦めが悪いところが自分の一番の取り柄ですからね(笑)。それに僕は逆に『この怪我をしたのが自分で良かった、家族とか近い人がそういうふうにならなくて良かった』とも感じた。安堵感を覚えたくらいです」と、さすがは“ミスター・ポジティブ”らしい勇敢な発言をしてみせた。
 
 こうして1年半の苦しいリハビリを乗り越え、1月17日から沖縄キャンプ入り。練習試合に復帰も果たしたわけだが、本人としてはまだまだ本来のスタンダードに戻れていないと痛感しているようだ。

「試合のプレー時間は70分、90分と増えてきていますけど、『やっぱり1年半、サッカーをやってなかったんだな』と感じますね。頭では『イケる』と思っていても『意外とそうじゃないんだな』と感じたり、身体の疲労感を覚えたりするのも事実です。

 だけど、今、苦しむのはすごく良いこと。2月15日の開幕(浦和レッズ戦)のタイミングから一気にいけるかどうかは分からないですけど、僕の中ではそこに照準を合わせている。一喜一憂せず、毎日、精一杯やり続けていくだけですね」と、貪欲に前へ前へと突き進む覚悟を口にする。

 吉田監督は「あれだけの手術をしたんで、ちょっと時間はかかると思います」と焦らず見守っていくつもりだが、2月から始まる連戦を考えると、そこまで戦力的に余裕があるわけでもない。

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