2戦目のパナマ戦で、30分の間に3ゴールをマークして健在ぶりを見せつけた後、髭について聞かれ「もし剃ったら、みんなに殺されるよ」と答えたメッシ。髭を伸ばしたメッシのニュールックは、どうやら代表のチームメイトたちにとって「縁起担ぎ」となっているらしい。
あご髭を意味するスペイン語の「barba」は、実はあのディエゴ・マラドーナが「神さま」のことを指す時に使っている言葉。イエス・キリストにあご髭があることから、マラドーナは神のことを必ず「La Barba」と呼ぶのである。
こうして、メッシの髭がチーム全体の縁起担ぎであると判明して以来、アルゼンチンのメディアは、それを「神々しい髭」として扱い始めた。
もちろん、冗談半分ではあるが、実際にメッシは髭を伸ばし始めてから、バルセロナはリーガ・エスパニョーラとコパ・デル・レイで優勝を遂げている。
チームメイトのニコラス・ガイタンは、会見でメッシの髭について聞かれると「(髭を伸ばすスタイルは)今、流行っているからね。自分で伸ばそうと決めたんなら、それでいいんじゃない?」と答え、縁起担ぎに言及することはなかった。
いずれにせよ、「神々しい髭」がチーム内に好印象を与えていることは事実のようだ。
ところで先週、マラドーナが「メッシにはリーダーに相応しいパーソナリティーがない」というコメントを発したことが大きな話題となったが、そのことについて聞かれたメッシは、冷静にこう語っている。
「(マラドーナの言うことは)いつも、僕がより成長していくためのアドバイスとして聞いているよ」
このように、大先輩に敬意を表することによって、無駄な騒ぎには終止符を打たれたのである。
さて、ベンチスタートとなったグループステージ最終戦のボリビア戦では、アルゼンチン代表歴代得点王であるガブリエル・バティストゥータの持つ54点にあと1ゴールで追いつくことからメッシの得点が期待されたが、後半から登場するも、残念ながらゴールは生まれなかった。
この試合で、メッシに股抜きされたボリビアGKのカルロス・ランペが試合後、メッシに歩み寄って何やら語りかけていたが、その内容は「今度こそ、君たち(アルゼンチン)の番。僕にとっての優勝候補は、アルゼンチンだ」という友好的なものだった。
また、股抜きについて気分を害したのでは? という質問にはランペは、「された相手がメッシだからね。別に怒ってなんかいない。もし他のDFだったら、自分が退場になるような事態になっていたかもしれないけど」と語っていた。
今後、アルゼンチンはシアトルからボストンに移動し、18日に準々決勝でベネズエラと対戦する。
メッシにとってベネズエラは、5年前のブラジル・ワールドカップ予選で敗戦を喫したことのある相手だが、「神々しい髭」を蓄えた姿でバティストゥータの記録に追いつき、チームをベスト4に導くことができるかどうかに注目したい。
文:チヅル・デ・ガルシア
