優勝候補筆頭のアルゼンチン代表を牽引するリオネル・メッシは、今大会の目玉選手でもある。そこで本ウェブでは、グループステージの各節、そして決勝トーナメントのラウンドごとに、、大会中の彼の動向や声を現地からお届けしていく。
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6月6日(現地時間)に行なわれた初戦のチリ戦では欠場となったメッシ。その前日、現地のアルゼンチン・メディアは「メッシはプレーしない可能性が高い」と報道していた。
ところが試合開始の直前になると、「もしかしたら先発で出てくるのではないか」、「控えメンバーとして途中から出場するのかもしれない」という様々な憶測が飛び交い始めた。
というのも、チリ戦に備えたアルゼンチン代表のロッカールームには「MESSI 10」のユニホームが準備されていたからだ。
なぜ、欠場が決まっていたメッシのユニホームが、他の選手のものと一緒にかけられていたのか――その理由は明らかにされていない。
大会前、負傷したルーカス・ビグリアが「グループにとって重要な存在だから」という理由でチームに残り調整を続けていることを考えれば、チームの士気を高めるために、エースでありキャプテンでもあるメッシのユニホームが壁にかけられたという解釈もあながち間違いではないだろう。
チリ戦でのメッシは、ベンチで仲良しのエセキエル・ラベッシの隣に座り、真剣にゲームの行方を追っていた。
ところがその途中、警備の隙を突いてメキシコ人の少年がピッチに侵入し、アルゼンチンのベンチでメッシと一緒に記念撮影をするというハプニングも。少年はチームのスタッフに取り押さえられて即刻退場となったが、目的を達成できたことで大満足の様子だった。
後半にアンヘル・ディ・マリアの先制点が決まると、メッシはチームメイトたちと一緒にベンチから飛び出して喜びを爆発させた。
その直後にエベル・バネガが追加点を挙げた場面では、アシスト役となったディ・マリアにボールが渡った時から立ち上がり、ゴールが決まった瞬間には誰よりも速く、バネガに駆け寄って祝福していた。
そして翌7日、メッシはおよそ10日ぶりにスパイクを履いてトレーニングに参加。ビグリアと一緒に別メニューで身体を動かした後、ボールを使った練習でいつもの正確なキックを披露している。
10日のパナマ戦に間に合うかどうかは定かではないが、その姿からは、腰の痛みから順調に回復していることが窺えた。
文:チヅル・デ・ガルシア
