「当時の僕は思い込んでいた」
川崎の悲願であるACL制覇への新たな挑戦がいよいよ9月18日のアウェー・蔚山戦(日本時間19時キックオフ)から始まる。大会は新たなフォーマット“ACLエリート”として生まれ変わり、未知の戦いが用意されている。アジアの舞台へ改めて川崎はどう臨むのか。自身7度目のACLを前に、鬼木達監督に想いを語ってもらったインタビューだ。
――◆――◆――
忘れられない試合がある。
茫然と立ち尽くしたあの日。すべてはあの試合から始まったと言っても良い。
「僕の1年目。あのアウェー浦和戦ですね。(車屋)紳太郎が退場をしたあの試合。あれがやっぱり全てなんですよね、僕のなかで。結果的に負けてしまって。なんでしょう...。本当悔しい試合でしたけど、監督としてこうやってリーグ優勝できたり、カップ戦を獲れたりしたのは、間違いなくあのゲームがあったからこそ」
2017年、その数か月後に悲願のリーグ優勝を果たす川崎であったが、ACL準々決勝第2戦では浦和に大逆転負けを喫していた。ホームでの第1戦は3-1で勝利し、アウェーの第2戦もエウシーニョのゴールで先制。勝ち抜けをほぼ手中に収めたかに見えた。しかし、前半のうちに左SB車屋が一発退場になると、流れは一変。埼玉スタジアムの雰囲気にも飲まれ、連続失点して1-4。トータルスコア4-5で敗れたのだ。
「戦い方と悔しさ。あのゲームは等々力でリードして始まって、アウェーでもエウソン(エウシーニョ)が取ってくれて、もう完全に自分たちのゲームにしなきゃいけない展開で前半のうちにひとり退場者を出した。(1―1で折り返して)ハーフタイムになんて言えば良いんですかね、もう本当に普通の話しかできなかったんですよ。
もう4-4-1で守って、カウンターとセットプレーで狙っていこうと。当たり前っちゃ当たり前なんですが、当時の僕はなんの疑いもなく、ひとり少なくなったらこういう風にすべきだと思い込んでいた。レッズみたいに形のあるチームに対して、もっと対処しなきゃいけないことがあったはずなのに、オーソドックスな話しかせずに、選手たちを挑ませてしまった。
交代策にしても、ひとり少なくなったあとに(トップ下の中村)憲剛を変えて(田坂祐介を左SBに投入)、阿部(浩之)ちゃんを残した。それもオーソドックスな考え方でひとり少ないから、運動量のある選手を残したほうが良いだろうと。だからあの時、自分がやったのは今まで人から教わってきたものばかりで、自分でちゃんと考えたことって少なかったんですよ。
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忘れられない試合がある。
茫然と立ち尽くしたあの日。すべてはあの試合から始まったと言っても良い。
「僕の1年目。あのアウェー浦和戦ですね。(車屋)紳太郎が退場をしたあの試合。あれがやっぱり全てなんですよね、僕のなかで。結果的に負けてしまって。なんでしょう...。本当悔しい試合でしたけど、監督としてこうやってリーグ優勝できたり、カップ戦を獲れたりしたのは、間違いなくあのゲームがあったからこそ」
2017年、その数か月後に悲願のリーグ優勝を果たす川崎であったが、ACL準々決勝第2戦では浦和に大逆転負けを喫していた。ホームでの第1戦は3-1で勝利し、アウェーの第2戦もエウシーニョのゴールで先制。勝ち抜けをほぼ手中に収めたかに見えた。しかし、前半のうちに左SB車屋が一発退場になると、流れは一変。埼玉スタジアムの雰囲気にも飲まれ、連続失点して1-4。トータルスコア4-5で敗れたのだ。
「戦い方と悔しさ。あのゲームは等々力でリードして始まって、アウェーでもエウソン(エウシーニョ)が取ってくれて、もう完全に自分たちのゲームにしなきゃいけない展開で前半のうちにひとり退場者を出した。(1―1で折り返して)ハーフタイムになんて言えば良いんですかね、もう本当に普通の話しかできなかったんですよ。
もう4-4-1で守って、カウンターとセットプレーで狙っていこうと。当たり前っちゃ当たり前なんですが、当時の僕はなんの疑いもなく、ひとり少なくなったらこういう風にすべきだと思い込んでいた。レッズみたいに形のあるチームに対して、もっと対処しなきゃいけないことがあったはずなのに、オーソドックスな話しかせずに、選手たちを挑ませてしまった。
交代策にしても、ひとり少なくなったあとに(トップ下の中村)憲剛を変えて(田坂祐介を左SBに投入)、阿部(浩之)ちゃんを残した。それもオーソドックスな考え方でひとり少ないから、運動量のある選手を残したほうが良いだろうと。だからあの時、自分がやったのは今まで人から教わってきたものばかりで、自分でちゃんと考えたことって少なかったんですよ。
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もちろん監督としての経験の浅さがありましたが、ああいうゲーム展開なった時に、もう成すすべなくやられてしまった。今まで監督をやってきた中で後にも先にも初めてかな...。なんかもうゲームが早く終わってほしいって...負けているのに、もうやめてくれみたいな。初めてでしたね。ここから逆転する方法、術を俺は持ってないなって思って。だからあのゲームがなかったら、1年目のリーグ優勝も絶対になかった」
目の前の勝利に全力を注ぎ、これでもかというほど準備に時間を割く。そんな鬼木監督が逃げ出してしまいたくなるほどのゲームであったのだ。その衝撃、悔しさは計り知れない。そのACLでの“大きな忘れ物”は今につながっていると言えるだろう。
川崎のアジアでの最高成績はこの17年を含めて3度辿り着いたベスト8。しかし8強の壁をどうしても越えられず、何度も悔しき敗戦を突きつけられてきた。その歴史を塗り替えるための戦いがいよいよ始まろうとしているのである。
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