【番記者通信】1000試合目に大敗。ヴェンゲルのほろ苦くも偉大なる達成|アーセナル

カテゴリ:メガクラブ

ジェレミー・ウィルソン

2014年03月26日

バスビー、ファーガンに次いで英国サッカー史上3人目の快挙。

記念すべき1000試合目は、チェルシーに0-6の大敗。試合後の会見をドタキャンして、ヴェンゲルは足早に去って行ったが、その功績は絶対に色褪せない。 (C) Getty Images

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 アーセン・ヴェンゲル監督が、3月22日のチェルシー戦で大記録を達成した。アーセナルを指揮して通算1000試合目を迎えたのだ。

 トップリーグ在籍クラブを1000試合に渡って指揮した経験を持つのは、マンチェスター・ユナイテッドの伝説的な2人の名将、マット・バスビーとアレックス・ファーガソンに次いで英国サッカー史上3人目。記念すべき1000試合目のチェルシー戦は0-6で大敗したが、その功績はまったく色褪せない。

 ヴェンゲル監督が、ロンドンの名門アーセナルにやって来たのは1996年。当時はまったくと言っていいほど無名の存在だったが、流れるようなパスサッカーを植え付け、それまで堅守速攻を基本としていたアーセナルのカラーを劇的に変えた。

 ピッチを離れても、斬新なトレーニング法や食事制限、禁酒の徹底といった改革案を持ち込み、チームに新風を吹かせた。個人的には、「ポゼッションなくして進化はありえない」と記者会見で言い放ったフランス人指揮官の言葉が、いまでも記憶に焼き付いている。

 改めて振り返れば、ヴェンゲルの1000試合は、500試合を区切りに前期と後期に分けられるだろう。

 前期は96年から2005年。この間に7つの主要タイトルを獲得し、アーセナルを欧州の列強クラブへと押し上げた。後期は、05年から現在。主要タイトルの獲得はひとつもないが、3億9000万ポンド(約624億円)の巨費を投じた新スタジアムを完成させ、クラブの財政基盤を整備した。

 05年のFAカップ優勝を最後にタイトルから遠ざかっていることで、周囲の雑音は騒々しさを増している。とはいえ、プレミアリーグでは、就任から18シーズン、4位以内を逃したことが一度もない。チャンピオンズ・リーグには、3年目から15シーズン連続で出場している。ヴェンゲル就任前の92シーズンでトップ4フィニッシュが23回だった事実を考えれば、これは大いなる達成だ。64歳のフランス人がいかに偉大な指揮官であるかが分かるだろう。

【記者】
Jeremy WILSON|Daily Telegraph
ジェレミー・ウィルソン/デイリー・テレグラフ
英高級紙『デイリー・テレグラフ』でロンドン地域を担当し、アーセナルに精通。チェルシーとイングランド代表も追いかけるやり手で、『サンデー・タイムズ』紙や『ガーディアン』紙にも寄稿する。

【翻訳】
田嶋康輔
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