最終節で首位を明け渡したことは5度あるが、逆転優勝はなし。

デポルティボ戦といえば、内容の伴う5-0の圧勝でジダンのトップチーム監督デビュー戦を飾った、マドリーにとっては転機となったカードでもある。写真左はこの試合でハットトリックを決めたベイル。 (C) Getty Images
首位を独走していたバルセロナが3月末になって急降下したことで、終盤戦になって首位争いが風雲急を告げることとなったリーガ・エスパニョーラも、残り1節を残すのみとなった。
アトレティコ・マドリーは前節でレバンテに不覚を取って脱落したものの、レアル・マドリーはバルサとの勝点差わずか1と可能性を残し、5月14日(日本時間15日0時試合開始)、最後の戦いに挑む。
最終節では、バルサがグラナダ、マドリーはデポルティボと、いずれもアウェーで対戦。バルサが引き分け以下、マドリーが勝った場合のみ、逆転優勝が実現する。
バルサ敗戦、マドリー引き分けの場合、勝点は88で並ぶものの、シーズン中の直接対決の結果で順位が決定するため、最初の対決を0-4で落としているマドリー(2戦目は2-1で勝利)は、勝点でバルサを上回るしか、覇権を握る手はない。
運命の最終戦を前に、ジネディーヌ・ジダン監督以下、マドリーの選手たちは「可能性がある限り、諦めずに戦う」と口を揃えて語る。
また、マドリーにとっては、バルサの対戦相手であるグラナダの頑張りは不可欠であり、現地では「マドリーがグラナダに対し、勝利ボーナスを支払う用意がある」と報じている。表向きは禁止されている行為も、こういった状況では当然あり得るものと考えられているようだ。
CFのカリム・ベンゼマが右足ハムストリング負傷で戦線を離脱し、代役として脚光を浴びているルーカス・バスケスも38節のバレンシア戦で左膝を捻挫したものの、こちらは軽傷であり、デポルティボ戦には出場できそうだという。
可能な限りの準備を施し、まさに人事を尽くして天命を待つ所存のマドリーだが、周囲では、過去の様々なデータを持ち出され、最終節での逆転の可能性が占われている。
今年2月の時点で、マドリーとバルサのあいだでは最大9勝点差がついていたが、過去にここから順位が引っくり返った例はないという。
また、1928年から始まったリーガの歴史において、最終節での逆転優勝が実現したのは8度であり、そのドラマの“主人公”は以下の通りである。
28-29シーズン 優勝バルサ・2位マドリー
39-40シーズン 優勝アトレティコ・2位セビージャ
46-47シーズン 優勝バレンシア・2位ビルバオ・3位アトレティコ(※)
59-60シーズン 優勝バルサ・2位マドリー
82-83シーズン 優勝ビルバオ・2位マドリー
91-92シーズン 優勝バルサ・2位マドリー
92-93シーズン 優勝バルサ・2位マドリー
93-94シーズン 優勝バルサ・2位デポルティボ
※バレンシアは最終節前、ビルバオ、アトレティコに次ぐ3位だった
リーガのファーストシーズンで、早くもバルサは劇的なかたちで初代王者の名誉を手にしたが、一方でいきなり悲劇を味わったのはマドリー。彼らは欧州5連覇を成し遂げた無敵の時代である59-60シーズンにも、国内では再び最後の最後でバルサに苦汁をなめさせられた。
90年代初頭、ヨハン・クライフ率いる「ドリームチーム」のバルサがリーガ4連覇を果たすが、91-92シーズンからは3度連続して、最終節、奇跡の展開によってバルサに栄冠が転がり込んできた。そしてそのうち2度、涙を飲んだのはマドリーだった。
マドリーはこれまで、最終節で失意の底に落とされることはあっても(5度!)、逆転の喜びを味わったことがない(2006-07シーズンにバルサと同勝点となって優勝を飾ったのが、最もこれに近いかたちか……)。
このように、過去のデータは、逆転優勝を狙うマドリーに味方をしてくれないが、もちろん過去は過去。彼らは新たな栄光の歴史を作るため、最終決戦に臨む。果たして歴史は変わるか。それを見届けよう!
アトレティコ・マドリーは前節でレバンテに不覚を取って脱落したものの、レアル・マドリーはバルサとの勝点差わずか1と可能性を残し、5月14日(日本時間15日0時試合開始)、最後の戦いに挑む。
最終節では、バルサがグラナダ、マドリーはデポルティボと、いずれもアウェーで対戦。バルサが引き分け以下、マドリーが勝った場合のみ、逆転優勝が実現する。
バルサ敗戦、マドリー引き分けの場合、勝点は88で並ぶものの、シーズン中の直接対決の結果で順位が決定するため、最初の対決を0-4で落としているマドリー(2戦目は2-1で勝利)は、勝点でバルサを上回るしか、覇権を握る手はない。
運命の最終戦を前に、ジネディーヌ・ジダン監督以下、マドリーの選手たちは「可能性がある限り、諦めずに戦う」と口を揃えて語る。
また、マドリーにとっては、バルサの対戦相手であるグラナダの頑張りは不可欠であり、現地では「マドリーがグラナダに対し、勝利ボーナスを支払う用意がある」と報じている。表向きは禁止されている行為も、こういった状況では当然あり得るものと考えられているようだ。
CFのカリム・ベンゼマが右足ハムストリング負傷で戦線を離脱し、代役として脚光を浴びているルーカス・バスケスも38節のバレンシア戦で左膝を捻挫したものの、こちらは軽傷であり、デポルティボ戦には出場できそうだという。
可能な限りの準備を施し、まさに人事を尽くして天命を待つ所存のマドリーだが、周囲では、過去の様々なデータを持ち出され、最終節での逆転の可能性が占われている。
今年2月の時点で、マドリーとバルサのあいだでは最大9勝点差がついていたが、過去にここから順位が引っくり返った例はないという。
また、1928年から始まったリーガの歴史において、最終節での逆転優勝が実現したのは8度であり、そのドラマの“主人公”は以下の通りである。
28-29シーズン 優勝バルサ・2位マドリー
39-40シーズン 優勝アトレティコ・2位セビージャ
46-47シーズン 優勝バレンシア・2位ビルバオ・3位アトレティコ(※)
59-60シーズン 優勝バルサ・2位マドリー
82-83シーズン 優勝ビルバオ・2位マドリー
91-92シーズン 優勝バルサ・2位マドリー
92-93シーズン 優勝バルサ・2位マドリー
93-94シーズン 優勝バルサ・2位デポルティボ
※バレンシアは最終節前、ビルバオ、アトレティコに次ぐ3位だった
リーガのファーストシーズンで、早くもバルサは劇的なかたちで初代王者の名誉を手にしたが、一方でいきなり悲劇を味わったのはマドリー。彼らは欧州5連覇を成し遂げた無敵の時代である59-60シーズンにも、国内では再び最後の最後でバルサに苦汁をなめさせられた。
90年代初頭、ヨハン・クライフ率いる「ドリームチーム」のバルサがリーガ4連覇を果たすが、91-92シーズンからは3度連続して、最終節、奇跡の展開によってバルサに栄冠が転がり込んできた。そしてそのうち2度、涙を飲んだのはマドリーだった。
マドリーはこれまで、最終節で失意の底に落とされることはあっても(5度!)、逆転の喜びを味わったことがない(2006-07シーズンにバルサと同勝点となって優勝を飾ったのが、最もこれに近いかたちか……)。
このように、過去のデータは、逆転優勝を狙うマドリーに味方をしてくれないが、もちろん過去は過去。彼らは新たな栄光の歴史を作るため、最終決戦に臨む。果たして歴史は変わるか。それを見届けよう!

60年5月、フランクフルトを7-2で破って欧州5連覇を果たしたマドリーだが、その1か月前には、リーガ最終節でバルサに競り負けていた。節ごとに順位が入れ替わるデッドヒートを繰り広げ、最終節の前に同勝点で首位の座を奪ったものの、最終戦でマドリーは勝利するも得点は1止まり、一方のバルサは5点を奪ったため、得失点差が逆転し、わずか2点差で涙を飲んだ。 (C) Getty Images

91-92シーズンの最終節は格下テネリフェ相手に前半で2点をリードしながら、後半で3点を失って逆転負け。翌シーズン、またしても最終節でテネリフェに敗れたマドリーは、2シーズン連続で宿敵にリーグタイトルをプレゼントしてしまった。写真は当時、マドリーでプレーしていた現バルサ監督(選手としても96年からバルサでプレー)のルイス・エンリケ。 (C) Getty Images