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昨季2冠の青森山田がもがいている。プレミアで早くも4敗目。“憎らしいほどの強さ”を取り戻せるのか

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2024年07月01日

0-0で折り返したが、後半に2失点

今季は文字通り一からのスタートとなった青森山田。もがいて苦しんだ分、強くなるはずだ。写真:松尾祐希

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 昨季はU-18高円宮杯プレミアリーグと高校サッカー選手権を制して2冠を達成した青森山田がもがいている。

 6月30日のU-18高円宮杯プレミアリーグ・第10節。3連敗を喫した後に3戦負けなしで調子を上げてきた青森山田だったが、首位の川崎フロンターレU-18に1-2で敗れた。

 序盤から押し込まれ、自分たちの時間帯をなかなか作れない。相手のパス回しに翻弄され、自陣で守りを固める展開となる。

「持たれる時間は予想していた。前半は高い位置から良い形で奪って勝負できていた。でも、相手にボールを持たれてしまうと、後ろに引いてしまう。逆に跳ね返して前に向かう選手がどんどん出てきてほしい」とは正木昌宣監督の言葉。

 決して前半は褒められた内容ではないが、選手たちは苦しいなりに、今できることに全力で取り組んでいた。しかし、相手からボールを奪えない時間が続くと、ジリジリと最終ラインが後退。自陣で耐える展開となり、本来の狙いであるショートカウンターを発動できない。

 ロングカウンターで仕掛けるため、後方から前に出ていくスタイルで体力は消耗。人数も掛けられず、セットプレーに持ち込む場面も限られた。
 
 0-0で折り返したものの、後半に2失点。まず62分、右サイドを崩されると、MF児玉昌太郎(3年)に折り返され、斜め後ろに入ってきたボールに対応できず、最後はMF矢越幹都(3年)にネットを揺らされた。

「サイドからのクロス、マイナス気味に来るボールは分析したうえで選手にも試合前のミーティングで伝えていた。それをきちっとやられて...」(正木監督)。

 71分に再び、失点。右SB柴田翔太郎(3年)にライナー性のシュートを放たれると、GKの手前でFW恩田裕太郎(2年)にヒールで合わせられる。技ありの一撃を決められた。

 残り15分を切ってから本来の姿を取り戻し、迫力のある分厚い攻撃で相手を圧倒。フィジカルの強さを活かし、セットプレーから何度も相手ゴールに迫った。

 87分にはロングスローの流れからFW石川大也(3年)が押し込んで1点差に。しかし、「スイッチが入るのが遅い」と指揮官が嘆いた通り、あと1点が遠い。4分のアディショナルタイムでは何度も押し込み、3連続ロングスローから決定機を作り出したが得点できず、試合終了のホイッスルを聞いた。

 がっくりと膝を突いた青森山田の選手たち。唇を噛み、誰もが「こんなはずじゃない」という表情で天を仰いだ。その姿からはチームの苦悩が見て取れた。

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