裏へ抜け出す動きが効果的だった香川、守備に忙殺された原口。

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右サイドからのクロスで2点に絡んだ香川。3点目も彼がロイスに縦パスを送ったことから生まれた。4試合連続のスタメンとなった一戦でも、確実に仕事をこなした。 (C) Getty Images
ベルリンのオリンピアシュタディオンで開催された4月20日(現地時間)のDFBカップ準決勝は、ドルトムントがヘルタ・ベルリンに3-0の完勝。3年連続となるファイナル進出を決めた。
ドルトムントの香川は、トップ下として先発フル出場。ヘルタの原口は左サイドハーフ、前半途中から右サイドハーフに移り、65分までプレーした。
試合が動いたのは20分。右サイドのオープンスペースに飛び出した香川のクロスにロイスが合わせそこねるも、カストロがこぼれ球をゴール右上隅に突き刺した。
先手を取ったドルトムントは主導権をがっちりと握り、ヘルタ陣内へと続けざまに攻め込む。25分には、シュメルツァーのクロスをロイスがダイレクトシュート。その6分後には、ラモスが後方からのボールを巧みにトラップし、至近距離からのフィニッシュまで持ち込んだ。
ボールを支配してパスを繋ぎ、しっかり攻撃を完結させるドルトムントに対し、防戦一方だったヘルタが牙を剥いたのは前半終了間際。45分、オーバーラップした右SBヴァイザーのクロスから決定機を作り出したが、ヘゲラーの放ったシュートは相手GKの正面を突いた。
ほとんどヘルタ陣内で試合が推移していた前半とは異なり、後半の立ち上がりは中盤で一進一退の攻防が続く。ヘルタのプレスやポジショニングが改善され、ドルトムントがテンポ良くボールを回せなくなったからだ。
最初にビッグチャンスを迎えたのもヘルタ。プラッテンハルトのクロスをブルックスが頭で後ろにすらし、フリーのカルーが右足を合わせたが、惜しくもボールは枠の左に逸れた。
難を逃れたドルトムントは、すぐさま反撃に出る。鋭い攻撃参加を見せるシュメルツァーを起点に、68分にはラモス、69分にはムヒタリアンが枠内シュート。しかし、どちらもヘルタGKヤルスタインの好守に阻まれた。
試合の行方を決定付けるゴールが生まれたのは75分。ドルトムントが、待望の追加点を挙げる。
相手CBブルックスのミスで生じたショートカウンターのチャンスに、香川とロイスがすぐさま反応。DFラインの裏に抜け出した前者からの丁寧な横パスに、後者がゴール前で見事に合わせ、粘りを見せていたヘルタを突き放した。
83分には、ダメ押しゴール。ラモスの確度の高いポストプレーからポンポンとボールが繋がり、最後はロイスの完璧なお膳立てを受けたムヒタリアンがゴールネットを揺さぶった。
試合はそのままタイムアップ。ドルトムントが前日にブレーメンを下していたバイエルンとのファイナルに駒を進めた。
最後に日本人の両雄の出来を振り返れば、香川はとにかく裏への飛び出しが冴えていた。右サイドのムヒタリアンに相手の左SBが食らい付いた瞬間を見逃さず、その裏のスペースを何度も強襲。全得点に絡む活躍を見せ、改めて最近の好調ぶりを示した。
後半途中にピッチを退いた原口は守備に追われる時間が長く、攻撃では多くのチームメイトと同様に不完全燃焼に終わった。
文:遠藤 孝輔
ドルトムントの香川は、トップ下として先発フル出場。ヘルタの原口は左サイドハーフ、前半途中から右サイドハーフに移り、65分までプレーした。
試合が動いたのは20分。右サイドのオープンスペースに飛び出した香川のクロスにロイスが合わせそこねるも、カストロがこぼれ球をゴール右上隅に突き刺した。
先手を取ったドルトムントは主導権をがっちりと握り、ヘルタ陣内へと続けざまに攻め込む。25分には、シュメルツァーのクロスをロイスがダイレクトシュート。その6分後には、ラモスが後方からのボールを巧みにトラップし、至近距離からのフィニッシュまで持ち込んだ。
ボールを支配してパスを繋ぎ、しっかり攻撃を完結させるドルトムントに対し、防戦一方だったヘルタが牙を剥いたのは前半終了間際。45分、オーバーラップした右SBヴァイザーのクロスから決定機を作り出したが、ヘゲラーの放ったシュートは相手GKの正面を突いた。
ほとんどヘルタ陣内で試合が推移していた前半とは異なり、後半の立ち上がりは中盤で一進一退の攻防が続く。ヘルタのプレスやポジショニングが改善され、ドルトムントがテンポ良くボールを回せなくなったからだ。
最初にビッグチャンスを迎えたのもヘルタ。プラッテンハルトのクロスをブルックスが頭で後ろにすらし、フリーのカルーが右足を合わせたが、惜しくもボールは枠の左に逸れた。
難を逃れたドルトムントは、すぐさま反撃に出る。鋭い攻撃参加を見せるシュメルツァーを起点に、68分にはラモス、69分にはムヒタリアンが枠内シュート。しかし、どちらもヘルタGKヤルスタインの好守に阻まれた。
試合の行方を決定付けるゴールが生まれたのは75分。ドルトムントが、待望の追加点を挙げる。
相手CBブルックスのミスで生じたショートカウンターのチャンスに、香川とロイスがすぐさま反応。DFラインの裏に抜け出した前者からの丁寧な横パスに、後者がゴール前で見事に合わせ、粘りを見せていたヘルタを突き放した。
83分には、ダメ押しゴール。ラモスの確度の高いポストプレーからポンポンとボールが繋がり、最後はロイスの完璧なお膳立てを受けたムヒタリアンがゴールネットを揺さぶった。
試合はそのままタイムアップ。ドルトムントが前日にブレーメンを下していたバイエルンとのファイナルに駒を進めた。
最後に日本人の両雄の出来を振り返れば、香川はとにかく裏への飛び出しが冴えていた。右サイドのムヒタリアンに相手の左SBが食らい付いた瞬間を見逃さず、その裏のスペースを何度も強襲。全得点に絡む活躍を見せ、改めて最近の好調ぶりを示した。
後半途中にピッチを退いた原口は守備に追われる時間が長く、攻撃では多くのチームメイトと同様に不完全燃焼に終わった。
文:遠藤 孝輔