［J１第８節］C大阪 １－０ 川崎／４月13日／ヨドコウ桜スタジアム

　試合終盤にはゼ・ヒカルド、パトリッキ・ヴェロンらこれまで出場機会が限られた助っ人らを投入するなど“総力戦”で同点弾を狙ったが、最後までゴールが遠かった。

　敵地でC大阪と対戦した川崎は70分にレオ・セアラに決勝弾を許して０－１で敗戦。ここ数年同様、主力が入れ替わった今季はACLでのまさかの早期敗退に始まり、開幕戦後のリーグ３連敗と苦しい時間が続く。

　技術面の大切さをより強調し、４－３－３から４－２－３－１へのシステムチェンジで役割をより明確にして、仕切り直した５節のFC東京戦（○３－０）、６節の横浜戦（△０－０）でやや持ち直したように見えたが、前節の町田戦（●０－１）に続く連敗で、順位は16位に後退した。

　C大阪戦へ臨むにあたって鬼木達監督はミーティングで、マンチェスター・シティやリバプールの選手たちが強気なパスを狙い、あえてそれが失敗したシーンを見せていた。

　その一連の映像は“一流のトッププレーヤーだってこうやってミスをすることがあるんだ。強気にパスを狙って奪われればみんなで取り返せば良い”と選手たちにもメッセージとして伝わっていた。
【動画】C大阪×川崎戦のハイライト

　もっともそれをすぐにピッチの上で表現するのは難しい。C大阪戦の立ち上がりは、逆に相手にやりたいようなポゼッションを見せつけられた。その中心にいたのが、昨季まで川崎一筋15年で今季にC大阪へ移籍した左SB登里享平だったことはなんとも言えない光景でもあった。

　時間が経つにつれ、川崎も相手の空いたスペースを見つけ、パスを通せるようになったが、どこかぎこちなさも残った。

　元々、高い技術力と相手を“見て”臨機応変に出方を変えられるサッカーで、魅力を放ってきた川崎だが、当時を知る選手も減り、改めてベースの再構築が求められている。

　そのなかで、今、必要なのは、３連敗後のような改めての技術面の磨き直しなのか、それとも強気にサッカーをするためのメンタル面の改善なのか、鬼木監督に訊けば、こう返ってくる。

「結果的には（技術とメンタル）両方だと思っています。ただ大きいのはメンタルなのかなとも思います。決して技術がまったくないわけではないですし、そこを出すためのメンタリティと言いますか、いろんなプレッシャーを受けてしまっているのかなと。そこは自分がなんとか解放しなくてはいけないところでもあります。

　ただ本当に細かいことになれば、ゴール前でのズレというのは実際に起きていると思うので、そこが得点につながっていないところだと感じます。だからこそ両方を追い求めないと、勝点を得るところまで追いつかないと思うので、なかなか時間がかかっていますが、それでも選手に言っていますが、やり続ける以外はないと思っていますので、意識高くやっていきたいです」

　結果を出すことで自信を手にし、改めて自分たちらしいサッカーを示すことはできるのか。川崎は難しい舵取りを求められている。

取材・文●本田健介（サッカーダイジェスト編集部）

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