今季初勝利へ“決死の覚悟”で戦った名古屋の稲垣祥。背景には指揮官への想いも

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2024年03月16日

米本とのボランチコンビで中盤を引き締める

ボランチとして存在感を放った稲垣。今季初勝利に貢献した。写真:滝川敏之

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[J1第4節]柏 0-2 名古屋/3月16日/三協フロンテア柏スタジアム

 開幕から3連敗、しかも無得点と暗いトンネルを走っていた名古屋が、ついに今季初勝利を掴んだ。

 J1・4節のアウェー・柏戦は今季取り組んできた3-1-4-2ではなく、昨季も採用した3-4-2-1(守備時は3-4-3)で臨むと、18分に右からの森島司のFKをハ・チャンレが頭で落とし、永井謙佑が冷静に流し込み、62分にはハ・チャンレがCKから追加点。試合を通じて多くのピンチを迎えたが、最後まで柏にゴールを許さなかった。

「本当にベーシックなところだと思います。ベーシックなところをもちろん今までもみんな出そうとしていたし、その気持ちがなかったわけでないけど、出せる環境が整ったというか、やることがしっかり整備されて、そういうベーシックなところを表現できる形で試合に臨めたことが勝因かなと思います」

 そう語ったのは米本拓司と2ボランチを組んだ稲垣祥である。ふたりはピッチを駆け回り続け、いぶし銀にチームを、そして試合をコントロール。勝利の立役者となった。

【動画】永井&ハ・チャンレがゴール! 名古屋が連敗ストップ&今季初勝利
 
 稲垣は安堵した表情でこうも話した。

「ヨネくん(米本)とダブルボランチで、このシステムでやったら、これくらいできるというのは、なんとなく分かっていましたし、もちろん手応えはありますが、そこから先を求めながらやっていきたいです。

 一勝できましたが、すべてがこれで変わるわけではないですし、状況を考えるとまずは今日の戦い方をベースに、勝点を拾っていかなくてはいけない。その作業をしながら少しずつ肉付けをして成長していくイメージかなと感じます」

 キャンプではビルドアップや攻撃面の強化に着手し、導入したのが3-1-4-2の新システムだった。しかし、今季は最終ラインの顔ぶれが大きく入れ替わり、怪我人も出たことで、新たなやり方はなかなか軌道に乗らず、柏戦はひとまず自分たちのベースに立ち戻った印象だ。

 ただ必要だったのは勝利である。

 長谷川健太監督は「3試合無得点で3連敗だったので、クビを切られてもおかしくない結果だと重々分かっていたので、この状況をなんとか変えたいという想いでした」と試合後に振り返ったが、選手たちも責任を感じていたようだ。

 稲垣も「今日勝てないと厳しいなとすごく感じていたので、ひとつホッとしたところが大きかったです」と口にする。

 さらに稲垣は指揮官の姿から“クビになるのは俺なんだから、伸び伸び精一杯やってくれ”というメッセージを受け取っていたという。

「試合に出ている身として、健太さんと信頼関係を築いている身として」、柏戦での勝利へ想いは人一倍強かった。

 だからこそピッチではチームメイトをいつも以上に叱咤激励する稲垣の姿があったのだろう。

 この一勝を機にチームは浮上できるか。喜びをとともに、改めて気を引き締め直す稲垣の表情も印象的だった。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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