開催国カタールの連覇で幕を閉じたアジアカップで、優勝候補の筆頭と見られていた日本代表は、準々決勝でイランに１－２で敗北。まさかのベスト８敗退となった。

　その森保ジャパンで、戴冠を争うライバルだった韓国のメディアから、最も注目を集めていたのがMFの久保建英だった。

　日本戦後の取材エリアで、韓国の記者がコメントを取ろうとしていたのは、いつもこのレフティで、日本記者の質問が終わった後、単独で取材をしている韓国人記者もいた。

　筆者自身も韓国の複数の記者から、「クボは初戦から出るのか？」「今日の試合のパフォーマンスをどう見ている？」「●●戦の出来は日本のファンはどう評価している？」といった質問を何度も受けた。

　もちろん、スペインの強豪レアル・ソシエダでの主軸として活躍し、実力と人気を兼ね備えた選手ではあるが、なぜこれほどまでにライバル国から注目を浴びるのか。
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　韓国の大手紙『中央日報』などに寄稿しているホン・ジェミン記者によると、同国のインターネットで人気のあるサッカー記事は、以下のような傾向があるという。

１位、ソン・フンミン、イ・ガンインなどの韓国の人気選手がゴールを挙げるなど活躍した記事
２位、ソン・フンミン、イ・ガンインなどが有名なサッカー関係者から称賛された記事
３位、ソン・フンミン、イ・ガンインなどの同僚・友人などに関する記事

　周知の通り、久保はマジョルカで共闘したイ・ガンインと仲が良く、大会中も連絡を取っていた事実を明かしている。

　同記者は、「クボがイ・ガンインについて語れば、その記事は間違いなく読まれます。だから、韓国の記者はクボの口から『イ・ガンイン』という言葉を出させたい。そのために、彼に取材をしているんですよ（笑）」と教えてくれた。

「韓国のファンは、ソン・フンミンやイ・ガンインを自分の息子のように見ています。だから、クボは息子の友達のような存在なんです」

　実際、初戦のベトナム戦の後、ある韓国の記者が同国代表で「最も期待している選手」を訊き、久保が「イ・ガンイン」の名前を挙げる一幕もあった。

　そして、その事実を今度はイ・ガンインに教える。パリ・サンジェルマンのMFは「クボは世界最高の選手のひとりになれる」と応えた。日韓の至宝のこうした関係は、小さくない関心事となっている。

取材・文●江國森（サッカーダイジェストWeb編集部）

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