開幕2連勝もその後は苦戦
須藤大輔監督率いる藤枝MYFCにとって、2023年J2は未知なる舞台だった。J1から降格してきた清水エスパルス、ジュビロ磐田の両静岡勢に加え、2022年天皇杯王者のヴァンフォーレ甲府など百戦錬磨の強者が揃うリーグで、新参者がどこまで戦えるのか。それは注目点の一つと位置づけられた。
前年の主力級だった内山圭(鳥栖)や鈴木惇(スードゥヴァ)、押谷祐樹(福井)らベテランが去り、矢村健や山田将之といった新戦力が加わるなか、指揮官は「J1昇格プレーオフ参戦(6位以内)」という大目標を設定。
自分たちのエンターテイメントサッカーをぶつける覚悟で挑んだところ、いわきFC、V・ファーレン長崎との開幕2戦に連勝。「今年の藤枝は想像以上に良い」という評価も得られるような好発進を見せることができた。
「その2戦に勝って、本当に怖いものがなかったなというのはありました。自分たちはJ3を戦っていた時から『J3で勝つためのサッカーをするんじゃないよ。J2でもJ1でも通用するサッカーを1年やってきたんだから、それによりこだわってJ2でやっていこう』という意気込みのなかで2連勝できた。それで選手も僕自身も自信になったのは確かです」
だが、藤枝はそこから勝てない時期に突入する。3月はブラウブリッツ秋田、甲府、東京ヴェルディに3連敗、4月に入ってからも首位を快走していたFC町田ゼルビアに敗れ、5月は大分トリニータ、モンテディオ山形、清水、磐田に4連敗。前半戦は特に上位陣に苦戦を強いられた印象が強かった。
「開幕2連勝の後は良いサッカーはしているものの、一瞬のミスや隙を突かれて『J3とは違うな』と。それで取りこぼすと自信が揺らぎ、迷いが生じてきて、相手も藤枝のサッカーを分析する分、ますます上手く行かなくなるといった悪循環に陥りがちでした」と須藤監督も振り返る。
キャプテン・杉田真彦の負傷、渡邉りょう(C大阪)と久保藤次郎(名古屋)の移籍というのは、まさにそんな時期の出来事だった。特に渡邉と久保についてはダメージが大きかったはずだ。
前年の主力級だった内山圭(鳥栖)や鈴木惇(スードゥヴァ)、押谷祐樹(福井)らベテランが去り、矢村健や山田将之といった新戦力が加わるなか、指揮官は「J1昇格プレーオフ参戦(6位以内)」という大目標を設定。
自分たちのエンターテイメントサッカーをぶつける覚悟で挑んだところ、いわきFC、V・ファーレン長崎との開幕2戦に連勝。「今年の藤枝は想像以上に良い」という評価も得られるような好発進を見せることができた。
「その2戦に勝って、本当に怖いものがなかったなというのはありました。自分たちはJ3を戦っていた時から『J3で勝つためのサッカーをするんじゃないよ。J2でもJ1でも通用するサッカーを1年やってきたんだから、それによりこだわってJ2でやっていこう』という意気込みのなかで2連勝できた。それで選手も僕自身も自信になったのは確かです」
だが、藤枝はそこから勝てない時期に突入する。3月はブラウブリッツ秋田、甲府、東京ヴェルディに3連敗、4月に入ってからも首位を快走していたFC町田ゼルビアに敗れ、5月は大分トリニータ、モンテディオ山形、清水、磐田に4連敗。前半戦は特に上位陣に苦戦を強いられた印象が強かった。
「開幕2連勝の後は良いサッカーはしているものの、一瞬のミスや隙を突かれて『J3とは違うな』と。それで取りこぼすと自信が揺らぎ、迷いが生じてきて、相手も藤枝のサッカーを分析する分、ますます上手く行かなくなるといった悪循環に陥りがちでした」と須藤監督も振り返る。
キャプテン・杉田真彦の負傷、渡邉りょう(C大阪)と久保藤次郎(名古屋)の移籍というのは、まさにそんな時期の出来事だった。特に渡邉と久保についてはダメージが大きかったはずだ。
「我々にとって厳しいのは事実ですけど、2人がJ1に引き抜かれたのは藤枝が認められた証拠。このクラブは結果を出すだけじゃなくて、選手を成長させられることを評価されたと感じました。僕自身も経験してきましたけど、サッカー選手は引退が早いですし、人間として認められるようにならないと、先々を考えても厳しくなる。
そう意識してアプローチしてきました。そうやって大きく飛躍した2人が格上のクラブに行って活躍してくれればいいと思って送り出しましたね」と、指揮官は努めて前向きにコメントしていた。
そのタイミングで中川風希や中川創、西矢健人らを補強したものの、プレシーズンからコンセプトや連係を積み重ねてきたメンバーのように、すぐにフィットできるわけではない。そこは難しい部分で、7~8月は8戦未勝利と今季最大の壁にぶつかった。
その長いトンネルを潜り抜けたのが、9月10日のロアッソ熊本戦だった。奇しくも須藤監督の甲府時代の恩師である大木武監督が率いるショートパスサッカーの相手を、藤枝は上手くいなして2-0で完勝。浮上のきっかけを掴む。
そこから町田、東京Vに引き分け、迎えた9月30日の清水戦。この時点で自動昇格圏にいた同じ静岡のオリジナル10のチームを相手に、藤枝はエース・横山暁之と矢村の2ゴールで快勝。難局を乗り切ることができたのだ。
【PHOTO】チームの快勝に湧いた藤枝MYFCサポーター!
そう意識してアプローチしてきました。そうやって大きく飛躍した2人が格上のクラブに行って活躍してくれればいいと思って送り出しましたね」と、指揮官は努めて前向きにコメントしていた。
そのタイミングで中川風希や中川創、西矢健人らを補強したものの、プレシーズンからコンセプトや連係を積み重ねてきたメンバーのように、すぐにフィットできるわけではない。そこは難しい部分で、7~8月は8戦未勝利と今季最大の壁にぶつかった。
その長いトンネルを潜り抜けたのが、9月10日のロアッソ熊本戦だった。奇しくも須藤監督の甲府時代の恩師である大木武監督が率いるショートパスサッカーの相手を、藤枝は上手くいなして2-0で完勝。浮上のきっかけを掴む。
そこから町田、東京Vに引き分け、迎えた9月30日の清水戦。この時点で自動昇格圏にいた同じ静岡のオリジナル10のチームを相手に、藤枝はエース・横山暁之と矢村の2ゴールで快勝。難局を乗り切ることができたのだ。
【PHOTO】チームの快勝に湧いた藤枝MYFCサポーター!