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「お前らはプロになれない!」飛ぶ鳥を落とす勢いのAZ菅原由勢から溢れ出た“恩師・ゴリさん”への熱き想い。「絶対に見返してやるって、反骨心が強くなった」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2023年12月02日

「16歳、17歳で見るからこそ意味があった」

いまや日本代表に欠かせない右SBに台頭した菅原。いまでも森山監督との日々を忘れることはない。(C)Getty Images

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 11月30日、AZがズリニスキを1−0で下し、UEFAカンファレンスリーグ(UCL)グループE最下位を脱して3位に浮上すると、右SB菅原由勢は「今日は勝てば良かったんでね。その結果を出したこと。まずそれが一番でした」と語った。AZは12月14日、レギア・ワルシャワとのアウェーゲームに勝ちさえすれば、グループステージ突破が決まる。
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 前節のオランダリーグ、対フォレンダム戦(3−0)では攻守に躍動し、三大メディアのベストイレブンを総ナメにした菅原。あの日、なぜ69分間の出場に留まったのかを、オランダ人はよく理解したうえで、日本代表SBを週間ベストイレブンに選出したのだ。ズルニスキ戦でも菅原は81分にベンチに退き、21歳のデンソ・カシウスがピッチに入った。

「チームが僕のコンディションにかなり気を配ってくれている。リスクを最小限に抑えながら結果も出すことが大事。今日は残り10分ぐらいで代えてくれました。もう日曜(対ユトレヒト)に向けて準備しろという意味だと僕は捉えています」

 菅原は以前、「僕たちは『ゴリ・ジャパン世代』と言われているんです。みんな『なにくそ精神』で高め合っているんです」と語ったことがあった。『00世代』とも呼ばれる菅原の代はU-17ワールドカップまでの数年間、ゴリさんこと森山佳郎監督のもとで揉まれた。

 その森山監督が11月のU-17ワールドカップ2023を終えて代表監督を退任し、来季からベガルタ仙台の指揮を執ることが決まると、菅原は自身のSNSでこう感謝の意を表した。

「こんなにも情熱的で選手と本気で向き合い僕らの成長を手助けしてくれたゴリさんと4年一緒にプレー出来た事に感謝しかないです。『お前らはプロになれない』と遠征の度に毎回毎回言われてたけど絶対見返してやる!と思い、今こうなれてるのはその言葉のおかげです(笑)。本当にありがとうございました!」

 ズリニスキ戦直後、森山監督から受けた影響を菅原に訊いた。

「ちょっとでもケツを向けたら、『そんなプレーをしたら消えるぞ。それが本当に覚悟を持ってサッカーをすることなのか』という問いを何度もされました」

“ケツを向けるな”とは、相手に背中を見せるなということ。シュートなどに対して、しっかり正面から当たりに行けという意味だ。

「技術はすごく大事。しかし、気持ちが技術を超えるところもあると、僕は思います。最後の1ミリのところで身体を張って守り切る、そういう厳しさと大切さをゴリさんは身に沁みているからこそ、僕たちに伝えてくれました。

 世界を見ると、とても上手い選手たちが極限のギリギリのところで身体を張って戦っている。ゴリさんはそういうことを自ら身体を張って見せてくれた。『あの人がやるんだったら俺たちもやらなきゃダメだ』という気持ちになりました。しかもそれを16歳、17歳で見るからこそ意味があった。ゴリさんと過ごした日々はメンタル面も含めて、僕がサッカーで生き残っているなかで大部分を占めていると思います」
 
「ケツを向けるな」と叱責した選手たちに対し、森山監督も正面から選手たちに向き合った。

「15歳、16歳、17歳で日本代表に選ばれている選手たちが下手なはずがないんです。絶対に下手じゃない。みんなとても上手いわけです。ゴリさん、それを知っているんですよ。だけど、プロの世界に行った時、上手いだけじゃ生き残っていけないこともゴリさんは知っている。本当に毎日、ミーティングで『お前らは上手いけれど、ここままじゃプロになれないぞ』『このままじゃ絶対にダメ。お前らじゃ世界で戦っていけないぞ』と言われるんです。そういうことを言ってくれる人は少ない。

 十代だと周りから代表選手という目で見られて少し天狗になりがちじゃないですか。でも僕たちは『お前らは絶対にプロになれない』と言われていたんで、遠征するごとに『絶対にプロになって見返しやる』という反骨心が強くなっていった。

 結局、代表チームにいる上手いヤツらがもっと努力して、もっと練習して誰よりも上手くなろうとすれば、例えば代表に選ばれていない選手は追いつけないと思うんです。『今ある環境に満足せず、お前らがもっと上を目ざしたら可能性は無限大だよ』ということを厳しい言葉で伝えてくれました」
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