「“振り幅”は大変。アクションに持って行く作業はやはり難しい」(東)
アジア・チャンピオンズリーグ(以下ACL)のグループステージ第2戦、FC東京は3日前の大宮戦(J1開幕戦)から先発6人を入れ替えてビン・ズオン戦に臨んだ。個々の技量だけで判断するなら、FC東京が圧倒的に上。しかも、会場はホームの東京スタジアムである。立ち上がりからほぼ一方的に押し込んだFC東京が負ける要素は見当たらなかった。しかし──。
【ACL 第2戦/フォトギャラリー】FC東京 3-1 ビン・ズオン
FC東京はそんな格下を相手に先制を許した。23分、カウンターに近い形からゴール前に持ち込まれ、最後はFWのグエン・アイン・ドゥックに至近距離から決められたのだ。ボールを支配しながらも隙を突かれて失点する展開は、0-1で敗れた3日前の大宮戦と同じだった。
キャプテンの森重真人が「こういう展開が一番嫌。改善点はたくさんあるし、自分たち次第」と言った大宮戦での反省を活かせず、またしてもカウンターからゴールを奪われた点はどうも気になる。
ビン・ズオン戦では、今季初先発のMF田邉草民、プロ2年目でACLデビューを飾った左SB・小川諒也が及第点以上のプレーを披露。また途中出場の阿部拓馬も逆転勝利に貢献するなど、ポジティブな面も確かにあった。
3-1で勝ったのだから結果オーライと楽観的な見方もできるが、それでも試合内容については素直に喜べない。ランコ・ポポヴィッチの就任1年目、またマッシモ・フィッカデンティ政権発足初年と同じで、城福浩監督が標榜するサッカーを選手たちがピッチで表現できないでいるところは看過できないだろう。
フィッカデンティ監督のリアクションサッカーから、城福監督が目指すアクションフットボールへの転換に、選手たちも戸惑いを隠せずにいる印象だ。ビン・ズオン戦後、東慶悟は落ち着いた口調でこう言った。
「(アクションフットボールへの手応えは)全然まだまだ。この“振り幅”は大変。昨季までのリアクションから、急にアクションへと持って行く作業はやはり難しい。ポポ(ポポヴィッチ監督)からマッシモ(フィッカデンティ監督)に代わった時も戦術が浸透するまで時間がかかったので、それなりにリスクがあることに取り組んでいると思います。まだまだ時間はかかるでしょうね。そのなかで結果を出す難しさは感じています」
実際、FC東京が大宮戦とビン・ズオン戦で展開したサッカーには「ボールを握る」以外に明確な意図が感じられなかった。バイタルエリアでスルーパスを狙うよりも、味方の足もとへのセイフティパスが多く、ただ単純にボールをつないでいるように見える今のFC東京には、はっきり言って躍動感も怖さもない。
ビン・ズオン戦でも流れのなかから決めたのは、ネイサン・バーンズの同点弾のみ。残る2ゴールはCKをきっかけに生まれた事実からも、アタッカー陣の連係不足は推察できるだろう。
【ACL 第2戦/フォトギャラリー】FC東京 3-1 ビン・ズオン
FC東京はそんな格下を相手に先制を許した。23分、カウンターに近い形からゴール前に持ち込まれ、最後はFWのグエン・アイン・ドゥックに至近距離から決められたのだ。ボールを支配しながらも隙を突かれて失点する展開は、0-1で敗れた3日前の大宮戦と同じだった。
キャプテンの森重真人が「こういう展開が一番嫌。改善点はたくさんあるし、自分たち次第」と言った大宮戦での反省を活かせず、またしてもカウンターからゴールを奪われた点はどうも気になる。
ビン・ズオン戦では、今季初先発のMF田邉草民、プロ2年目でACLデビューを飾った左SB・小川諒也が及第点以上のプレーを披露。また途中出場の阿部拓馬も逆転勝利に貢献するなど、ポジティブな面も確かにあった。
3-1で勝ったのだから結果オーライと楽観的な見方もできるが、それでも試合内容については素直に喜べない。ランコ・ポポヴィッチの就任1年目、またマッシモ・フィッカデンティ政権発足初年と同じで、城福浩監督が標榜するサッカーを選手たちがピッチで表現できないでいるところは看過できないだろう。
フィッカデンティ監督のリアクションサッカーから、城福監督が目指すアクションフットボールへの転換に、選手たちも戸惑いを隠せずにいる印象だ。ビン・ズオン戦後、東慶悟は落ち着いた口調でこう言った。
「(アクションフットボールへの手応えは)全然まだまだ。この“振り幅”は大変。昨季までのリアクションから、急にアクションへと持って行く作業はやはり難しい。ポポ(ポポヴィッチ監督)からマッシモ(フィッカデンティ監督)に代わった時も戦術が浸透するまで時間がかかったので、それなりにリスクがあることに取り組んでいると思います。まだまだ時間はかかるでしょうね。そのなかで結果を出す難しさは感じています」
実際、FC東京が大宮戦とビン・ズオン戦で展開したサッカーには「ボールを握る」以外に明確な意図が感じられなかった。バイタルエリアでスルーパスを狙うよりも、味方の足もとへのセイフティパスが多く、ただ単純にボールをつないでいるように見える今のFC東京には、はっきり言って躍動感も怖さもない。
ビン・ズオン戦でも流れのなかから決めたのは、ネイサン・バーンズの同点弾のみ。残る2ゴールはCKをきっかけに生まれた事実からも、アタッカー陣の連係不足は推察できるだろう。