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待望の先制後、一度落ち着かせる選択肢もあったが...たたみかけて5得点のシリア戦。引き金は2点目に導く遠藤と浅野の積極守備

カテゴリ:日本代表

河治良幸

2023年11月22日

試合中に特別な指示は出さず

得点には絡めなかったが、果敢なディフェンスでチームを下支えした浅野。(C)Getty Images

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 サウジアラビアのジッダで行なわれた北中米ワールドカップ・アジア2次予選のシリア戦は、日本が5-0で勝利。5日前のホームでのミャンマー戦と同じスコアで、2次予選でも難関の1つをクリアした。

 これで6月のエルサルバドル戦から8連勝となったが、年内の2次予選を連勝したことで、来年の元日に予定されるタイとの親善試合を挟み、3大会ぶりの優勝を目ざすアジアカップ、さらに来年3月に再開する2次予選に向けて、良い流れにつながる勝利と言える。

 終わってみれば実力差がそのまま表われるような結果となったが、ここからアジアでの試合を見ていくヒントになりそうなのが、32分に久保建英のゴールで先制した後の戦い方だ。

 アルゼンチン人のエクトル・クーペル監督が構築するシリアのディフェンスは堅く、1点目を取るまでは日本も一筋縄では行かなかった。ただ、森保一監督は事前に伝えた判断基準を頼りに、試合中に特別な指示は出していなかったという。

 強いて挙げるなら、試合が止まった時に名波浩コーチからパスの距離に関するアドバイスが選手に出されたぐらいだと明かしている。
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 そうした状況で生まれた1点目はやや強引ではあるが、狙いを持った攻撃が実った形だ。インサイドのポジションを取った左サイドバックの伊藤洋輝を起点に、反対サイドから中盤のインサイドに流れた菅原由勢がボールを受けて、右外の伊東純也に展開する。

 日本は上田綺世、浅野拓磨に加えて守田英正、さらには遠藤航までがボックス内に入り込むことで、シリアのディフェンスを押し下げた。右サイドでボールを持つ伊東にはイブラヒム・ヘサルとファハド・ユーセフの二人が付くが、それによりボックスの右手前にスペースができる。

 そこを久保が見逃さず、伊東から前向きにボールを受けるとインに踏み込んで、左足の強烈なシュートをゴール右に突き刺した。

 アウェーで待望のリードということもあり、そこから一度ゲームを落ち着かせる選択肢もあったはずだが、日本はたたみかけるように攻撃を仕掛けていく。ボールを失ってもシリアが前に運ぶ前に奪回して、ビルドアップから左右のサイドバックが高い位置に上がって、最前線の上田を起点に全体を押し上げて、立て続けのチャンスに繋げた。
 
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