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熱狂の広島でアジアカップ初制覇を成し遂げたオフトジャパン。Jリーグと日本代表――、日本サッカーを飛躍に導く両輪が回り始めた【コラム】

カテゴリ:日本代表

石川聡

2023年11月08日

【今日は何の日?】1992年11月8日:アジアカップ決勝、日本vsサウジアラビア戦(広島)

アジアカップ1992のUAE戦に臨む日本代表イレブン。現在日本代表を率いる森保監督の姿も。(C)Getty Images

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 日本代表は10月にカナダを4-1、チュニジアを2-0と下して国際Aマッチ6連勝と、11月16日に初戦を迎えるFIFAワールドカップ(W杯)予選、来年1~2月に開催されるアジアカップに向けて弾みをつけた。
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 4年に一度開かれるそのアジアカップは、昨年のW杯に続いて中東のカタールで開かれる。日本が目ざすのは3大会ぶり5度目の優勝。過去4度のタイトル獲得は大会最多だが、初めてアジア王座に就いたのが1992年の今日、11月8日のことだった。

 広島県で開催された31年前のアジアカップで、日本は2大会連続2度目の出場。とはいえ、同大会が重視されていなかった当時は、初出場の1988年カタール大会に若手中心のチームを送り込んでいた。日本サッカーがようやくプロ化を模索し始めた時期。大学生主体のチームではアジアの並み居る強豪に勝てるはずもなく、イランと引き分けるなど健闘はしたものの、グループステージ敗退に終わっていた。

 しかし、1992年は状況が一変していた。Jリーグの開幕が翌年に迫っており、その前哨戦ともいえるJリーグヤマザキナビスコカップ(現JリーグYBCルヴァンカップ)もスタート。サッカーの環境整備、世間の関心は飛躍的に高まっていた。そうした状況下のアジアカップは、1993年のW杯アメリカ大会予選に向けた重要なステップと位置付けられていた。

 このような追い風に乗ったのか、日本は苦戦の連続を乗り越えて勝ち上がっていった。グループステージは2試合連続の引き分けも、突破に勝利が必要だった最終戦でイランを1-0と破り準決勝進出。85分に決勝点を蹴り込んだカズが「魂込めました、足に」と、そのゴールを振り返った一戦だ。準決勝の中国戦も開始直後に先制を許し、一度は逆転するも追いつかれ、しかもGK松永成立が退場処分となるピンチ。それでも84分に中山雅史が勝ち越し点をマークし、3-2と振り切った。

 広島広域公園陸上競技場(現エディオンスタジアム広島)が舞台となった決勝で対戦したのは、大会2連覇中というアジア屈指の強豪サウジアラビアだった。

 この年の4月に就任したオランダ人のハンス・オフト監督率いる日本のメンバーはGKが出場停止の松永に代わって前川和也、DF:都並敏史、井原正巳、柱谷哲二、堀池巧、MF吉田光範(86分勝矢寿延)、ラモス瑠偉、北澤豪、福田正博、FW:高木琢也、三浦。MFの森保一(現日本代表監督)は警告累積によって、ベンチに入ることができなかった。
 
 日の丸が打ち振られ、チアホーンが鳴り響く中で始まった試合は、勢いに乗る日本が積極的に仕掛ける。そして36分、日本に待望の先制点が生まれた。左サイドからカズが上げたクロスを、ペナルティーエリア内でフリーとなった高木が胸でコントロール。落ち際を左足で叩き、ゴールネットを揺らした。

 初戦から全試合に先発出場も不発だった高木の大会初得点。我慢して起用し続けたオフト監督の信頼に、見事に応えた一撃だった。これが値千金の決勝点。日本は1-0の勝利を収め、初めてアジアの頂点を極めたのだった。

 大会を通じて「選手たちが精神的に粘り強く戦ってくれた」ことを優勝の要因に挙げたオフト監督。W杯予選に向けても「非常に進歩している」と手応えを口にした。Jリーグと日本代表。日本サッカーを飛躍に導く両輪が回り始めた。

文●石川 聡

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