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絶対アウェーの北京で躍動したジーコジャパン! 19年前の今日、日本代表はいかにして3度目のアジア王者に輝いたのか

カテゴリ:日本代表

石川聡

2023年08月07日

【今日は何の日?】2004年8月7日、アジアカップ決勝:中国vs日本戦

宮本主将がアジアカップを掲げる。ジーコジャパンは大会を通して、中国サポーターからの激しいブーイングに晒された。(C)REUTERS/AFLO

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 アジアサッカー連盟(AFC)は7月27日、3年後のFIFAワールドカップに向けた2次予選の組み分けを発表した。日本はシリア、朝鮮民主主義人民共和国、そして1次予選のミャンマー対マカオの勝者とともにグループBで戦い、ホームアンドアウェーによる2回戦総当たりリーグで2位以内なら3次予選に進出する。

 この2次予選は、2027年にサウジアラビアで開催されるAFCアジアカップの予選も兼ねている。同じく2位以内を確保することができれば、アジアカップへの出場が決定する。前回の2019年大会では準優勝に終わった日本にしてみれば、王座奪還を目ざす戦いとなる。

 アジアカップで日本は最多4度の優勝を誇る。1992、2000、2004、そして2011年にアジアの頂点を極めた。そのうち、3度目のアジア王者となった2004年大会決勝が行なわれたのが、19年前の8月7日のことだった。

大会の舞台となったのは中国。ブラジル人のジーコ監督の下、タイトル防衛を期待された日本だが、中田英寿、稲本潤一、柳沢敦らの主力選手を負傷などの理由で招集できず、グループステージから苦戦の連続を強いられた。それでも勝負強さを発揮して、決勝まで駒を進めてきた。優勝を争ったのは地元の中国で、まさに完全アウェーの戦いだった。

 決勝のピッチに立った日本のメンバーは以下の通り。GK:川口能活、DF:田中誠、宮本恒靖、三都主アレサンドロ、加地亮、中澤佑二、MF:中田浩二、中村俊輔、福西崇史、FW:鈴木隆行、玉田圭司。ジーコ監督は交代枠をいっさい使わなかった。また、海外組はFCノアシェラン(デンマーク)の川口、レッジーナ(イタリア)の中村という2人だけだった。

 この大会で特徴的だったことの一つに、中国人観客による日本に対する圧倒的なブーイングが挙げられる。試合中はもちろん、国歌演奏の際にも途絶えることなく、ジーコ監督も「国歌のときにブーイングをするのは、どうしても納得がいかない」と苦言を呈していた。スタジアム内では、日本人サポーターエリアに物が投げ込まれる事態も起きた。小泉純一郎首相の靖国神社参拝などが中国を刺激し、高まった反日感情がスポーツの場にも持ち込まれたといわれる。
 
 こうした状況のなか、日本はブーイングの嵐にひるむことなく、ひたむきに戦った。エースの中田英が不在の中、チームを引っ張ってきたのは中村だ。正確な左足のキックで貴重な得点を奪い、味方のチャンスをお膳立て。決勝でもその左足がものをいった。

 北京工人体育場に6万2000の観衆を集めた一戦で、日本が待望の先制点を挙げたのは22分。左サイドで得たFKを中村がファーサイドに送ると、中澤がヘディングで折り返し、詰めた福西が頭で押し込んだ。その9分後に同点とされて後半を迎えたが、65分には中村の右CKから中田浩が決めて再び勝ち越し。中国はハンドの反則をアピールしたものの、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)などなかった当時では、判定は覆らなかった。さらにアディショナルタイム1分には、中村のスルーパスを受けた玉田がGKをかわしてダメを押し、3-1の勝利でアジアカップ連覇を成し遂げた。

 大会の最優秀選手には中村が選ばれ、ベストイレブンには中村のほか、川口、宮本、中澤が名を連ねた。川口は決勝だけでなく、準々決勝のヨルダン戦、準決勝のバーレーン戦でも神懸かり的なセーブでチームを救った。守備を統率したキャプテンの宮本はヨルダン戦でPK戦の際、サイドの変更を進言して変えさせたのが語り草となっている。中澤はチーム最多タイの3得点をマークするなど、攻守で存在をアピールした。

 期待外れの結果に、中国人ファンは試合後も収まらなかった。大挙して日本チームのバスやサポーターを乗せたバスを囲むなど不満を表し、警察官との小競り合いも起きたという。チームは約2時間にわたって、スタジアムで足止めを余儀なくされた。

文●石川 聡

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