FC町田でサッカーにのめり込んだ少年が、いつしか大人になりFC町田ゼルビアで現役最後のシーズンを戦う。そして2023年10月22日、そのかけがえのないクラブで彼はJ1昇格を成し遂げた。
彼こと太田宏介選手は22日の熊本戦で左サイドバックとして先発出場。64分までプレーしてチームの勝利に貢献した姿を見て、著者は嬉しさと同時にホッとした感情が込み上げてきた。
なぜ、ひとりの選手にそこまで感情移入できるのか。もちろん、理由はある。取材を通して、太田選手の過去をそれなりに知っているからだ。学生時代での苦労、プロ入り初年度の挫折、FC東京でメンバー外になっても腐らずプロの姿勢を若手に示したスタンス、そして先の引退会見での言葉の数々、それらを知っているからこそ熊本戦で勝利したあとの彼の笑顔を見ると、こちらがにやけてしまう。
身内でもなんでもない。選手と記者という単純な関係だが、それでも熊本戦後、向こうが忙しいのを承知で本人にメッセージを送ってしまった。「祝!J1昇格! おめでとうございます! キャリアの最終年にこんなドラマが待っているとは!」と。
「こんな展開最高すぎます!」
すると、ちゃんと返事が来るのだ。
「白鳥さーん。こんな展開最高すぎます!」
先の引退会見で太田選手は次のような話をしていた。
「町田で育ってサッカーを始めた自分が、大好きな町田で終えるストーリーに運命を感じる。幸せです」
いつかゼルビアでプレーしたいと思っていたところで実際にオファーが来るのも運命的だし、キャリア最後のシーズンにJ1昇格を果たすのもドラマチックだ。
実は、太田の返事には続きがある。
「来週絶対に優勝決めます!!」
10月29日の金沢戦は今季最後のホームゲーム。そのシチュエーションでJ2優勝を決めれば、これまたドラマチックだ。
「最後にJ1昇格とJ2優勝で、ハッピーエンドで終えたい。それが僕にできる町田への恩返し」
引退会見でのその言葉がまもなく現実のものになると、私はそう確信している。優勝した暁には、再び“号泣の宏介”が見られるのだろうか。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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実は、太田の返事には続きがある。
「来週絶対に優勝決めます!!」
10月29日の金沢戦は今季最後のホームゲーム。そのシチュエーションでJ2優勝を決めれば、これまたドラマチックだ。
「最後にJ1昇格とJ2優勝で、ハッピーエンドで終えたい。それが僕にできる町田への恩返し」
引退会見でのその言葉がまもなく現実のものになると、私はそう確信している。優勝した暁には、再び“号泣の宏介”が見られるのだろうか。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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